シリーズ 言語の科学 3

単語と辞書

言語の基本単位である単語とそれをまとめた辞書について,言語学,心理学,情報処理から丁寧に解説する.

単語と辞書
著者 松本 裕治 , 影山 太郎 , 永田 昌明 , 齋藤 洋典 , 徳永 健伸
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 人間・心理
書籍 > シリーズ・講座・全集
シリーズ シリーズ 言語の科学
刊行日 2004/06/03
ISBN 9784000069038
Cコード 3380
体裁 菊判 ・ 上製 ・ カバー ・ 236頁
在庫 品切れ
単語は言語を形づくる基本的な単位であり,文から単語を切り出すことは,言語の分析の最も基本的な作業である.単語とはどういう構造をもち,どう作りだされるのか.辞書は,人間の頭の中ではどう構成され,言語情報処理ではどう扱われているのか.言語学,心理学,情報科学の各面から全貌を明らかにし,言語の核心にせまる.
 〈言語の科学〉へのいざない
 学習の手引き

1 文法と形態論
 1.1 言語研究における形態論の扱い
 1.2 語の特徴と辞書の役割
  (a) 語の特徴  (b) 辞書の役割
 1.3 語形成過程の様式
  (a) 線形型語形成  (b) 非線形型語形成
 1.4 語彙部門の仕組み
  (a) 語形成に係わる制限  (b) レヴェル順序づけ  (c) 順序づけのパラドックス   (d) 語形成の単位
 1.5 形態論と統語論の接点
  (a) 語形成単位の拡張  (b) 統語的編入
 1.6 形態論と意味論の接点
  (a) 項構造  (b) 項の受け継ぎ  (c) 語彙概念構造
 1.7 文法における形態論の位置づけ
  (a) 形態構造と統語構造  (b) 語形成と文法体系
 第1章のまとめ

2 形態素解析
 2.1 形態素解析の役割
  (a) 単語分割と語形変化の解析  (b) 表記・読み・品詞の付与
 2.2 形態素解析アルゴリズム
  (a) 日本語の単語分割の多義  (b) 経験的優先規則に基づく形態素解析   (c) 文法的接続可能性に基づく形態素解析  (d) 接続コストに基づく形態素解析   (e) 統計的言語モデルに基づく形態素解析   (f) 動的計画法を用いた形態素解析アルゴリズム   (g) 上位N個の最適解を求めるアルゴリズム  (h) 英語の品詞付け
 2.3 単語辞書の実装法
  (a) 単語辞書を表現するためのデータ構造   (b) 疎行列の表現法に基づく単語辞書の実装法
 2.4 Nグラムの平滑化
  (a) 最尤推定法  (b) 加算法  (c) 線形補間法  (d) バックオフ法
  第2章のまとめ

3 心的辞書
 3.1 単語認知研究の系譜
  (a) はじめに連想研究ありき  (b) 連想研究から認知心理学へ   (c) 認知心理学における単語認知研究
 3.2 単語認知実験
  (a) 単語の特性と単語認知実験における技法   (b) 単語認知実験における代表的知見
 3.3 単語認知と語彙処理モデル
 3.4 単語認知過程に影響を及ぼす要因
  (a) 文脈効果  (b) 多義性の解消と文脈効果  (c) 音韻的符号化の位置づけ   (d) 単一経路・多層水準モデルへ  (e) 語形成構造を利用した処理   (f) 基本綴り音節構造
 3.5 漢字の認知と心的辞書
  (a) 文字結合錯誤をめぐる二つの観点  (b) 漢字の形態的特性  (c) 漢字の結合部品数  (d) メンバー漢字の同音性  (e) 遅延照合課題  (f) コンパニオン活性化モデルの検討  (g) 表記特性を越えた心的辞書モデルに向けて
 3.6 残された問題点
 3.7 今後の課題
 第3章のまとめ

4 辞書と情報処理
 4.1 言語処理の概要
  (a) 言語解析  (b) 言語生成
 4.2 言語処理のための辞書情報
  (a) 形態素レベルの情報  (b) 統語レベルの情報  (c) 意味レベルの情報  (d) 談話レベルの情報
 4.3 言語処理における辞書の使用
  (a) 形態素解析  (b) 選択制限  (c) 語義の曖昧性解消
 4.4 コンピュータを用いた辞書の自動構築
  (a) 形態素レベルの情報  (b) 統語レベルの情報  (c) 意味レベルの情報
 第4章のまとめ

 用語解説
 読書案内
 参考文献
 索引
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