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シリーズ 思考のフロンティア

公共性

公共性とは,排除と同化に抗する連帯である.現在の「公共性」は異質な声に鎖されてはいないだろうか.

公共性
著者 齋藤 純一
ジャンル 書籍 > 単行本 > 哲学
シリーズ シリーズ 思考のフロンティア
刊行日 2000/05/19
ISBN 9784000264297
Cコード 0310
体裁 B6 ・ 並製 ・ カバー ・ 136頁
在庫 在庫あり
公共性とは,閉鎖性と同質性を求めない共同性,排除と同化に抗する連帯である.現在さまざまなかたちで提起されている「公共性」の理念は,異質な声に鎖され,他者を排除してはいないだろうか.開かれた公共性への可能性は,どこにあるのだろうか.互いの生を保障しあい,行為や発話を触発しあう民主的な公共性の理念を探る.
はじめに

Ⅰ 公共性──その理念/現実

第 1 章 「公共性」の位置
 1 「公共性」をめぐる近年の言説
 2 公共性と共同体

第 2 章 公共性と排除
 1 公共性へのアクセス
 2 対抗的公共圏と孤独

Ⅱ 公共性の再定義

第 1 章 市民社会と公共性
 1 啓蒙゠公共性のプロジェクト
 2 市民的公共性
 3 合意形成の空間

第 2 章 複数性と公共性
 1 現われの空間
 2 共通世界と意見の交換
 3 社会的なものへの批判の陥穽

第 3 章 生命の保障をめぐる公共性
 1 ニーズを解釈する政治
 2 公共的価値と社会国家
 3 社会国家の変容
 4 社会的連帯の再生をめぐって

第 4 章 親密圏/公共圏
 1 親密圏の発現
 2 親密圏と公共圏・家族
 3 親密圏の政治的ポテンシャル

終章 自己と公共性──生/生命の複数の位相と公共性の複数の次元

Ⅲ 基本文献案内

あとがき
齋藤純一 (さいとうじゅんいち)
 1958年生まれ.横浜国立大学経済学部教授を経て,現在早稲田大学政治経済学部教授.政治理論・政治思想史専攻.
 著書に『自由』(岩波書店,2005年),編著に『親密圏のポリティクス』(ナカニシヤ出版,2003年)『福祉国家/社会的連帯の理由』(ミネルヴァ書房,2004年),共編著に『表現の〈リミット〉』(ナカニシヤ出版,2005年)など.
 訳書(共訳)に,H.アーレント『過去と未来の間』(みすず書房,1994年),W. E.コノリー『アイデンティティ\差異──他者性の政治』(岩波書店,1998年),R.ローティ『偶然性・アイロニー・連帯──リベラル・ユートピアの可能性』(岩波書店,2000年),『ハンナ・アーレント政治思想集成』全二冊(みすず書房,2002年)などがある.

書評情報

BRUTUS 2012年1月1-15日合併号

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