パヴェーゼ文学集成 1

長篇集 鶏が鳴くまえに

パヴェーゼ自選作品集「鶏が鳴くまえに」の初の全訳.ファシズム下での『流刑』と戦後の作品『丘の中の家』.

長篇集 鶏が鳴くまえに
著者 チェーザレ・パヴェーゼ , 河島 英昭
ジャンル 書籍 > 単行本 > 文学・文学論
書籍 > シリーズ・講座・全集
シリーズ パヴェーゼ文学集成
刊行日 2008/09/09
ISBN 9784000282314
Cコード 0397
体裁 A5 ・ 上製 ・ 函入 ・ 398頁
在庫 品切れ
パヴェーゼが自死の前年にみずから編んだ作品集「鶏が鳴くまえに」(1949)の本邦初の全訳.反ファシズムの廉でイタリア南端に流刑された経験をもとに書かれ,この時まで秘め置かれていた最初の長篇小説『流刑』.ナチ・ファッショと抵抗組織の間をさまよう主人公を描いた戦後の象徴主義的な作品『丘の中の家』を収める.

-

現代世界文学の最高峰チェーザレ・パヴェーゼは,イタリアのファシズム/反ファシズムの苛酷な経験から学びつつそれを踏み破っていった稀有の詩人である.彼の創造した神話的物語群は,その生み出された時代を超えて,今日の世界の,現代の人間の根源的条件を撃ってやまない.ジョイスやプルーストとともにヨーロッパ文学の極点をなし,20世紀世界文学に今や屹立するにいたったこの詩人の生誕百年という記念すべき年に,その主要な作品を,強靭な叙情性の溢れる翻訳で日本の読者に送り届ける事ができるのは,小社としてもこの上ない喜びである.
岩波書店

-

な作品を,強靭な叙情性の溢れる翻訳で日本の読者に送り届ける事ができるのは,小社としてもこの上ない喜びである.
岩波書店


全巻構成

1 長篇集
鶏が鳴くまえに

2 長篇集
美しい夏   

3 長篇集
月と篝火

4 長篇集
青春の絆

5 短篇集
八月の休暇

6 詩文集
詩と神話

-

● 詩集『働き疲れて』全訳をはじめ本邦初訳を多数含み,パヴェーゼの主要作品を網羅.
● ダンテ,マキアヴェッリからカルヴィーノまで,作品の個性を極めつくした勁く格調高い訳文で名高い訳者の,鏤骨の個人全訳.
● 作品の意図,同時代史的文脈,今日の可能性をあますところなく論じる周到な解説.
流 刑

丘の中の家

解説 『鶏が鳴くまえに』(一九四八年刊)

 〔一〕チェーザレ・パヴェーゼの前半生
 〔二〕長篇第一作「流刑」(一九三八年十一月二十七日─一九三九年四月十六日)
 〔三〕十年後の長篇「丘の中の家」(一九四七年九月十一日─一九四八年二月四日)

地 図
河島英昭(かわしまひであき)
1933年東京に生まれる.東京外国語大学イタリア語学科卒業.東京外国語大学名誉教授.イタリアの文学経験を日本に根付かせるべく,数多くの作品を翻訳し,批評活動を行なってきた.主な訳書に,マキアヴェッリ『君主論』,ボッカッチョ『デカメロン』,ヴェルガ『カヴァレリーア・ルスティカーナ』,『ウンガレッティ全詩集』,モラヴィア『無関心な人々』,カルヴィーノ『イタリア民話集』,エーコ『薔薇の名前』など,また主な著書に,『イタリアをめぐる旅想』(『氷河と蝶』を改題),『叙事詩の精神』『ローマ散策』『イタリア・ユダヤ人の風景』『めぐりくる夏の日に』などがある.

書評情報

週刊朝日 2008年10月17日号
ページトップへ戻る