岩波セミナーブックス S10

サマセット・モームを読む

「人生とは何か」と問い続け,人間を鋭く描いたモームの代表作を通じて,その人生観と謎に満ちた生涯に迫る.

サマセット・モームを読む
著者 行方 昭夫
ジャンル 書籍 > 単行本 > 岩波セミナーブックス
書籍 > シリーズ・講座・全集
シリーズ 岩波セミナーブックス
刊行日 2010/06/29
ISBN 9784000280600
Cコード 0097
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 220頁
定価 2,420円
在庫 在庫僅少
「人生とは何か」という問いのもとに人間を鋭く描き続けたモーム.数々の作品の翻訳を手がけた著者が,『人間の絆』『月と六ペンス』『サミング・アップ』『かみそりの刃』『赤毛』『大佐の奥方』を読み解きながら,書簡も自伝も残されていない,謎に満ちた作家の生涯をさぐり,その人生観に迫る.

■著者からのメッセージ

モームには書簡も日記もほとんど残っていなのいで,今でも謎めいたところがあります.しかしこのセミナーでは,代表作を深く読みながら,彼の人と文学の秘密を解き明かすことを目的としました.文学事典にあるような基本的なモームについての事実だけでなく,新しいモーム像を示したいという願いもありました.熱心な聴講者で溢れた会場では,最新のモーム学を知ろうという勉学意欲とモームの実像に迫ろうという私の熱意がうまく絡み合ったような気がしました.

■編集部からのメッセージ

2008年1月の,岩波市民セミナー「サマセット・モームを読む」への参加申込みは定員を超え,毎回セミナールームは熱気であふれていました.この本は,講義+質疑応答という,実際のセミナーでの形式を生かし,会場の雰囲気を再現しながら,さらに加筆・再構成したものです.序章では,日本でのモーム作品の翻訳史をはじめ,モーム来日の頃のエピソードやその人柄などにも触れます.続く各章では,代表的な作品を緻密に読み解き,この謎に満ちた作家の内面と人生に迫っていきます.翻訳者ならではの深い「読み」が,温かく,時には鋭い〈行方節〉で語られる一時期は受験などでもおなじみだったモームを,この本で,ぜひ再読してみてください.
行方 昭夫(なめかた あきお)
1931年東京生まれ.東京大学教養学部イギリス科卒業.東京大学名誉教授,東洋学園大学名誉教授.主な著書に,『モーム語録』 『英文快読術』 『英語の発想がよくわかる表現50』(岩波書店)など,主な訳書に『人間の絆』 『月と六ペンス』 『サミング・アップ』(岩波文庫)などのモーム作品や,ヘンリー・ジェイムズ『ある婦人の肖像』などがある.

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