岩波テキストブックス

EU法 政策篇

EUの仕事を「域内市場」「経済通貨同盟」「自由・安全・司法領域」「対外関係」に分けてバランスよく説明.

EU法 政策篇
著者 庄司 克宏
ジャンル 書籍 > 単行本 > 岩波テキストブックス
シリーズ 岩波テキストブックス
刊行日 2003/10/28
ISBN 9784000280358
Cコード 3332
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 214頁
在庫 品切れ
最新の判例や学説を紹介しつつ,EUの仕組みをわかりやすく概説する画期的な2冊の教科書.機構・制度・法秩序を解説する.〈基礎篇〉につづき,本書〈政策篇〉ではEUの仕事を「域内市場」「経済通貨同盟」「自由・安全・司法領域」「対外関係」に分けてバランスよく説明する.アジアにおける日本の進路や外交にとっても示唆に富む.

■著者からのメッセージ

本書は,法科大学院や法学部の学生諸君,法曹や企業法務等の実務家の皆さん,また,EUの政治や経済に関心を持つ方にとっても入門書として利用できるように執筆されています.『基礎篇』と『政策篇』は姉妹書ですが,一応どちらから読み始めても理解できるように書かれています.
 EU法は,EUの仕事の内容や範囲が変わったり広がったりするのに応じて変化するので,初学者にとってとらえどころがないように思われるかもしれません.EU法を知る前に,まずEU自体について知る必要があります.そのため,『基礎篇』は,まず「EUとは何か」,次いで「EU法とは何か」から説明を始めています.EU法を英米法や独法,仏法などの外国法と同じレベルに位置づけることは誤解を招きます(逆に,それらの外国法を学ぶためにはEU法の知識は不可欠です).他方,EUは通常の国際機構にとどまらず,世界貿易機関(WTO)の欧州版でもありません.EU法とはいったいどのようなものなのか,その正体をぜひ発見して下さい.
 また,『政策篇』は,EUが具体的にどのような仕事を行っているのかについて4つの政策分野について解説するものです.あわせてご利用いただければ幸いです.


■ 目次(基礎篇)

はしがき
第1章 EU法入門
第1節 EUとは何か
第2節 EU法とは何か
第3節 EU法研究のアプローチ
第4節 EU法文献
第2章 ECからEUへ――制度的発展
第1節 実体規定面における発展
第2節 機構面における発展
第3章 組織および手続
第1節 ECにおける権限配分と補完性原則
第2節 諸機関
第3節 立法・政策決定および執行
第4節 財政
第5節 訴訟
第6節 加盟および権利停止
第7節 改正および補強化協力
第4章 EC法秩序
第1節 EC法の法源(法の存在形式)
第2節 EC法秩序の性格
第3節 EC法の直接効果
第4節 EC法上の権利に対する国内的救済
第5節 基本的人権の保護
EU/EC条約 新旧条文一覧対照表

判例索引
庄司 克宏(しょうじ・かつひろ)
1957年生まれ.慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学.二松学舎大学国際政経学部助教授,在ベルギー日本国大使館専門調査員(欧州安全保障担当),ケンブリッジ大学客員研究員,欧州大学院大学(フィレンツェ)客員研究員,ブリュッセル自由大学客員研究員等を経て,現在,横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授.2003年よりジャン・モネ・チェアー(Jean Monnet Chair)
専攻―EU法.
著書―『現代ヨーロッパ国際政治』(共著,岩波書店)『EUの法的課題』(共著,慶應義塾大学出版会)エドワード&レイン『EU法の手引き』(訳,国際書院)デレック・ヒーター『統一ヨーロッパへの道』(共訳,岩波書店)ほか
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