現代心理学入門 3

学習と教育の心理学

増補版

教育実践を通しての研究を正当に位置づける流れを踏まえ,その重要性と問題点を整理した増補版.

学習と教育の心理学
著者 市川 伸一
ジャンル 書籍 > 単行本 > 心理・精神医学
書籍 > シリーズ・講座・全集
シリーズ 現代心理学入門
刊行日 2011/02/17
ISBN 9784000039185
Cコード 3311
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 208頁
定価 2,860円
在庫 在庫あり
研究と教育現場との乖離はよく言われる.最近では教育実践を通しての研究を正当に位置づける流れが生まれてきた.一方,実践を通しての研究は客観性を常に問われる.教育心理学の教科書としてすでに定評ある本書だが,増補版では,こうした動向を踏まえ,その重要性と問題点を整理し,学習と教育にとって不可欠となる視点を提案する.

■編集部からのメッセージ

 心理学の分野でも,学習心理,教育心理は必須のテーマです.市川氏の本は,認知科学的な研究を背景にして,学習効果のある教育方法を解説したところに定評があります.すでにシリーズ「現代心理学入門」のなかの1冊として,心理学の教科書としてはもちろん,学校現場や社会人教育にも有用なものとして多くの読者に迎えられてきました.
 刊行以来,15年が経過しましたが,その内容はいまだ古びていなく,この分野の定本の趣があります.ただ,この分野で大きく変わったのは,これまで以上に,教育理論と教育実践の垣根が縮まってきたことです.研究者と学校現場での問題意識は多様なだけにどうしても距離はあります.それでも著者らの努力により,実践報告をきちんと研究に活かそうという気運が生まれ,学会活動でも報告されるようになってきました.
 そこでいちばんの課題になるのが,教育実践の評価です.個別な事例報告にどこまで一般性があるのか,そこからどういう普遍性を見いだすのかが心理学にとって非常に大きな問題です.教育心理学をめぐる,そうした最近の動向と評価をどう考えるかについて,有益なコメントを加筆したのが,今回の増補版です.
 これまで以上に,教科書・参考書としてご愛顧たまわれば幸いです.
1 学習意欲の基礎
2 動機づけ理論の展開
3 学習行動の基礎
4 知識獲得と理解
5 スキルの獲得と問題解決
6 個に応じた教育と自己学習力
7 授業と学級のはたらき
8 教育における測定と評価
9 教育心理学と教育実践の関わり
市川伸一(いちかわ しんいち)

1953年生まれ.1980年東京大学大学院心理学専攻博士課程中退.埼玉大学,東京工業大学を経て,現在東京大学大学院教育学研究科教育心理学コース教授.文学博士.著書として,『考えることの科学』(中公新書),『学力低下論争』(ちくま新書)ほか,編著として『認知心理学4 思考』(東京大学出版会),『学力から人間へ』(教育出版)などがある.
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