現代物理学叢書
原子核の理論
有限固の陽子と中性子からなる量子多体系という視点から,原子核の多彩で特徴的な性質の理解をめざす.
原子核は,平均場描像,集団運動的描像,カオス的描像など,一見相反する特徴が同一の系に実現しているユニークな系である.これらの多彩な特徴がどのような機構で発現するのかを概観し,相互の関係を考察する.現代物理の最新テーマである小さな量子系,複雑系の1典型として,原子核は豊富な例を与えてくれる楽しい対象である.