高齢社会の手引き

変わるお葬式,消えるお墓 新版

「密葬」,合葬墓,生前契約など最新事情を,具体例とともに,わかりやすく解説する.関連の相談窓口なども収録.

変わるお葬式,消えるお墓 新版
著者 小谷 みどり
ジャンル 書籍 > 単行本 > 医療・福祉・健康・スポーツ
シリーズ 高齢社会の手引き
刊行日 2006/08/09
ISBN 9784000264976
Cコード 0336
体裁 B6 ・ 並製 ・ カバー ・ 246頁
在庫 品切れ
一人暮らしの増加など家族のありかたが激変し,人生の価値観も多様化しているいま,お葬式とお墓をどうするか,ということも,様変わりしている.増えてきている「密葬」や生前戒名,合葬墓や一人で入れる永代供養墓,任意後見や生前契約──それらを,具体例とともに,わかりやすく解説する.関連の相談窓口なども収録.

■著者からのメッセージ

小谷みどり

 高齢社会が成熟した日本は,「多死社会」を迎えています.少子化や核家族化が進んでいるうえ,病院で終末医療を受けながら死ぬことが当たり前になり,死を迎える社会環境は大きく変化しています.また子どもがいても,できるだけ最後まで自立して生きたいと考える高齢者が増えています.しかし自立した生をまっとうするには,私たちは,どのように最期を迎えたいかをあらかじめ考えておかねばなりません.
 死の迎え方や価値観の多様化に伴い,葬送に対する意識も多様化しています.家族葬や故人らしさを求める傾向が顕著になり,宗教色のないお葬式など,しきたりにとらわれない人たちも珍しくありません.一方,少子化や人口の都市間流動化などでお墓を継承する人がおらず,無縁化した墓地の増加は深刻な社会問題となっています.実際,「子どもにお墓の世話で迷惑をかけたくない」と考える高齢者も増えています.
 この本では,こうした葬送の多様化と問題,またその裏にある社会の変化をわかりやすく解説し,自分らしい最期を迎えるためのさまざまな選択肢を紹介しています.亡くなった人を偲び,遺された人たちが前向きに生きていくために葬送儀礼があるのなら,大切なのは心であって,形やしきたりにとらわれすぎる必要はないと思います.また,自分はこんな最期を迎えたいという意思を残しておくことは,家族や周りの人への思いやりでもあるのです.

■編集部からのメッセージ

多くの読者にむかえられ,ロングセラーであった前著.
 その内容を加筆・一新して,新版を刊行しました.
 6年前の前著の時と比べて,社会状況も大きく変化しています.
 また,著者の小谷さん自身も,この6年間に身内の方,お二人の最期をみとられました.
 そのときの想いを,今回の本ではつづっていらっしゃいまして,そのことが,また,具体的にどのようなことを考えればいいのかを,私たちに示してくれます.
【編集部:坂本純子】
小谷みどり(こたに みどり)
第一生命経済研究所主任研究員.1969年生まれ.大阪府出身.奈良女子大学大学院修了後,ライフデザイン研究所(現・第一生命経済研究所)に入社.専門は生活設計論,死生学,葬送問題.
著書に『お葬式のお値段』(PHP研究所),『おとむらい新世紀』(東京新聞出版局),『こんな風に逝きたい』(講談社)のほか,共著として『生活と環境の人間学』(昭和堂),『情報生活のリテラシー』(朝倉書店),『臨終デザイン』(明治書院)などがある.
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