新世界事情

脅威のアメリカ 希望のアメリカ

この国とどう向きあうか

20世紀のアメリカをたどり,原点回帰の健全な動きに希望をつなぎつつ,日米関係のあるべき姿を提言.

脅威のアメリカ 希望のアメリカ
著者 寺島 実郎
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
シリーズ 新世界事情
刊行日 2003/11/26
ISBN 9784000270212
Cコード 0331
体裁 B6 ・ 上製 ・ カバー ・ 196頁
在庫 品切れ
20世紀のアメリカは戦争に明け暮れ,今はマネーゲームに狂奔し,力の論理で新しい秩序を作り出そうとしている.アメリカの原点を求めて1世紀前の日米関係の原風景を訪ね,原点回帰の健全な動きに希望をつなぎつつ,今後の日米関係のあるべき姿を提言する.この国と深く関わってきた著者ならではのアメリカ論の集成.

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明快に鮮やかに激変する世界の見取図を示す――<地球の知的歩き方>ガイド
新世界事情 全12冊

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9.11後,世界は流動化し,
バブル経済崩壊後,日本は内向化しています.
時代の風を敏感に受け止める感性,
世界の潮流を正しく理解する脳力,
新しい世界に立体的に関わっていく行動の指針が求められています.

■全巻の構成 ※既刊は書名青色

脅威のアメリカ 希望のアメリカ  
―この国とどう向きあうか
寺島実郎 (財)日本総合研究所理事長
力の論理で新しい秩序を作り出そうとするアメリカ.ネオコンに牛耳られ,9.11の後遺症にさいなまれる国民の支持を得たブッシュ政権は,異常なのか? アメリカの建国神話の帰結なのか?

進化する多国籍企業  
―いま,アジアでなにが起きているのか?  
末廣 昭 東京大学社会科学研究所教授
民主化,経済統合,福祉国家戦略が進むアジア諸国.その人々の生活を根底から左右する多国籍メガ企業の行動を,経済自由化,企業買収,新ビジネスモデル,中国の台頭といった視点から分析する.

ユーラシアの地政学  
―ソ連崩壊後のロシア・中央アジア  
石郷岡建 毎日新聞外信部編集委員
ソ連崩壊,9.11テロ,イラク戦争後,液状化する世界.世界各地で力の干渉を強める米国と,それに対抗し,浮上してきたユーラシア.歴史の彼方の帝国の記憶をめぐって,ユーラシアを舞台にせめぎあう,宗教と民族のゆくえを追う.

コモンズの思想を求めて  
―カリマンタンの森で考える
井上 真 東京大学農学部助教授
インドネシア熱帯雨林の先住民の生活に流れるコモンズの思想を探し求めて,カリマンタンの地域コミュニティに棲んでみた.そこで発見した森を住民と外部の人々が「協治」する方法とは.

世界化するパレスチナ/イスラエル紛争
臼杵 陽 国立民族学博物館地域研究企画交流センター教授
国家対立が紛争を生み,紛争が中東という地域を生み,9.11後,中東は世界化している.対立の核にある民族/宗教という分断線の虚構性と暴力性を暴き,真の中東和平をもたらすための解決の糸口を模索する.

EUは国家を超えられるか  
―政治統合のゆくえ  
平島健司 東京大学社会科学研究所教授
多面的な変容を重ね続けるEU.その果てにあるのはいかなる共同体の姿か.その起源である1950年代と構造的転換を迎えた90年代に焦点を当てながら,多角的に考察する.

「人間の安全保障」戦略  
―平和と開発のパラダイムシフトをめざして
吉田文彦 朝日新聞論説委員
飢餓,環境汚染,地域紛争などの国際問題解決の突破口として注目を集める「人間の安全保障」.この概念はどこまで有効か.日本やカナダなどの具体的事例に即して考える.

インド 国境を越えるナショナリズム  
長崎暢子 龍谷大学国際文化学部教授
南アジアの地域紛争の根源には,近代的領域国家概念,英国の分割統治がもたらした植民地主義がある.多様性の中の統一を実現する地域連邦構想を伝統的思考様式に求める.

地球市民社会の最前線  
―NGO・NPOへの招待
目加田説子 中央大学総合政策学部教授
いまや,多国間条約の形成にまで力を発揮するようになったNGOネットワーク.NGO・NPO活動の具体的な現場を訪ね,市民のエンパワーメントによる平和の作り方をレポート.

メイド・イン・シャンハイ  
―躍進中国の生産と消費
丸屋豊二郎,丸川知雄,大原盛樹
上海を制するものは中国を制す.市場・生産基地として上海の魅力はどこにあるのか? 欲望が高じて消費が爆発したらどうなるのか? 上海のいまは地球社会の未来を先取りしている.

新しい戦争  
―世界の底の貧困と政治
藤原帰一 東京大学法学部教授
現代戦争の多くは世界の貧しい地域を戦場として戦われている.そんな離れた戦争が,先進国に住むわれわれの安全を支えているという構造的問題をとおして,現代戦争の新しい姿を探る.
小林正典

朝鮮半島 分断から統一へ  
―冷戦後の鎖の解け方
小此木政夫 慶應義塾大学法学部教授
核再開発,軍事優先政治の危険なゲームに乗り出した北朝鮮.国際社会はどのように北朝鮮の体制移行を促し,安定的な地域秩序を構築していくべきか.そのシナリオを提示する.

■備考

「項目内容1」にリンクあり
寺島実郎(てらしま じつろう)
1947年,北海道生まれ.早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了.株式会社三井物産入社.調査部,業務部を経てブルッキングス研究所(在ワシントンDC)に出向.その後,米国三井物産ワシントン事務所長等を経て,現在,財団法人日本総合研究所理事長,三井物産戦略研究所所長.早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授.
著書に『「イラク戦争」検証と展望』(岩波書店),『地球儀を手に考えるアメリカ』(東洋経済新報社),『ふたつの「Fortune」』(ダイヤモンド社),『新経済主義宣言』(新潮社),『ワシントン戦略読本』(新潮社),『国家の論理と企業の論理』(中公新書),『団塊の世代 わが責任と使命』(PHP研究所),『一九〇〇年への旅――あるいは,道に迷わば年輪を見よ』(新潮社),『「正義の経済学」ふたたび』(日本経済新聞社),『寺島実郎の発言――時代の深層底流を読む』(東洋経済新報社),『歴史を深く吸い込み,未来を想う――一九〇〇年への旅 アメリカの世紀,アジアの自尊』(新潮社)などがある.

書評情報

朝日新聞(be) 2010年5月22日
PRESIDENT 2004年3月15日号
軍縮問題資料 2004年3月号
経済界 2004年2月10日号
東京新聞(朝刊) 2004年2月8日
しんぶん赤旗 日曜版 2004年1月18日号
潮 2004年1月号
日本経済新聞(朝刊) 2003年11月16日
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