新日本古典文学大系 32
江談抄 中外抄 富家語
食事のマナーから漢詩文の知識まで.老人たちの座談の中に,平安朝貴族社会の姿が生き生きと蘇る.
公の席での振舞い方,食事のマナーから漢詩文の知識まで,王朝の貴族に要求される教養は多岐に渉っていた.老人は逸話を混えて熱心に語り続ける.質問し,筆記する若きエリートたち.平安時代末期の政治を動かし,文学を主導してきた老人たちの座談の中に,書物からは窺えない貴族社会の姿が生き生きと立ち現れる.