新日本古典文学大系 75
伽婢子(おとぎぼうこ)
中国の志怪譚を翻案した怪異譚・奇譚などの短編小説集.江戸時代を通じての怪異小説流行の魁となった.
円朝で有名な牡丹灯籠の話,『雨月物語』の「浅茅が宿」と同話の「遊女宮木野」など,変転極まりない戦乱の世を舞台に,冥界と現実の人間との交流を通して男女の愛執を浪漫的に描く怪異譚や奇譚など68話の短編小説集.中国の志怪譚を博覧強記の仮名草子作者浅井了意が翻案した本作は,江戸時代の怪異小説流行の魁となった.