双書 哲学塾

宇宙を哲学する

宇宙をめぐる近代科学の探究と,人間の認識能力に関する哲学的探究がスリリングに交錯する重厚な講義.

宇宙を哲学する
著者 伊藤 邦武
ジャンル 書籍 > 単行本 > 哲学
シリーズ 双書 哲学塾
刊行日 2007/11/06
ISBN 9784000281560
Cコード 0310
体裁 B6変 ・ 上製 ・ カバー ・ 158頁
在庫 品切れ
夜空を見上げていて感動をおぼえつつ,いつのまにか物思いにふけっていたことはありませんか.本講義は,宇宙をめぐる近代科学の探究と,人間の認識能力に関する哲学的探究がスリリングに交錯します.さらに,宇宙の時間は有限か無限かという古くて新しい哲学上の難問にも挑戦.哲学の広がりと深さが感得できる重厚な講義.

■著者からのメッセージ

伊藤邦武
 宇宙はどのように誕生したのか.人間は宇宙のなかでまったく特殊で孤独な存在なのか,そうではないのか――.人類はその歴史の最初期から宇宙についての謎を解こうとしてきました.そして,私たちは「ビッグバン宇宙論」によって謎の完全な解決まであと一歩,というところまできています.私たちは幸運なことに,まさに高度に発達した宇宙時代を生きているのだとえいえます.
 人間が宇宙を完全に理解するということ――このことはしかし,よく考えてみると,非常に奇妙なことだといわなければなりません.超無限に広大な世界のなかの超片隅に住んでいる人間が,宇宙全体を理解することなど,本当に可能だといえるのか.その理解には根本的に限界があるのではないだろうか.
 「宇宙を哲学する」ということ,それは,「宇宙の理解可能性の問題を考える」ということです.本書では,宇宙の理解可能性を議論してきた主要な哲学思想の歩みを概観します.そして,具体的な練習問題として,「宇宙には起源があるのか」という問題にタックルしてみます.本書によって,宇宙を哲学しようとしてきたさまざまな知性の試みが,満天の星々と同じくらい透明な輝きにみちたものであることを知っていただければ幸いです.
伊藤邦武(いとう くにたけ)
1949年生まれ.京都大学大学院文学研究科教授.専攻,哲学.
著書:『パースの宇宙論』(岩波書店),『パースのプラグマティズム』(勁草書房),『偶然の宇宙』(岩波書店),『人間的な合理性の哲学』(勁草書房)ほか.
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