統計科学のフロンティア 5

多変量解析の展開

隠れた構造と因果を推理する

脳科学や通信解析で注目される「独立成分分析」の手法や薬効判定に必須の「因果推論」の話題を例に,多変量解析の新しい姿を提示.

多変量解析の展開
著者 甘利 俊一 , 狩野 裕 , 佐藤 俊哉 , 松山 裕 , 竹内 啓 , 石黒 真木夫
ジャンル 書籍 > 単行本 > 計算機科学
書籍 > 自然科学書
書籍 > シリーズ・講座・全集
シリーズ 統計科学のフロンティア
刊行日 2002/12/10
ISBN 9784000068451
Cコード 3341
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 240頁
在庫 品切れ
複雑に絡み合ったデータから,いかにその意味を抽出するか.多変量解析の新しい姿を提示する.まず脳科学から通信解析とますます注目される「独立成分分析」の手法を開発者自らが解析し,さらに医療分野では必須となる「因果推論」の話題を気鋭の著者らが論じる.また補論として,その分野に関わる重要なコメントを付す.
第Ⅰ部 独立成分分析とその周辺 甘利俊一
 1 信号の混合と分離――独立成分分析の枠組み
 2 問題の定式化
 3 独立成分分析,主成分分析,因子分析
 4 確率変数の従属性コスト関数
 5 最急降下学習法
 6 自然勾配学習法
 7 独立成分分析における最急降下学習
  7.1 学習アルゴリズム
  7.2 非ホロノームアルゴリズム
  7.3 白色化――独立成分の数が少ない場合
 8 推定関数と学習アルゴリズム
  8.1 推定関数
  8.2 推定誤差
  8.3 推定関数を用いた学習アルゴリズム――学習の安定論
  8.4 標準推定関数とニュートン法
  8.5 諸パラメータの適応的決定
  8.6 雑音のある場合の推定関数
  8.7 観測信号の数が少ないときのスパース解
 9 独立成分の逐次的抽出
  9.1 キュムラントに着目した抽出
  9.2 確率分布とコスト関数
  9.3 白色化した2段階アルゴリズム
  9.4 独立成分の同時抽出
 10 信号の時間相関を利用する方法
  10.1 相関行列の同時対角化
  10.2 時間相関がある場合の推定関数
 11 時間的な混合とデコンボリューション
 12 画像の分解と独立成分解析
 参考文献

第Ⅱ部 構造方程式モデリング,因果推論,そして非正規性 狩野裕
 1 因果推論――何が問題か
 2 検証的因果推論――パス解析
 3 探索的因果推論――共分散選択
 4 構造方程式モデリング
  4.1 構造方程式モデリングとは
  4.2 実 例
  4.3 統計的推測
 5 因果の大きさを正確に測定する
  5.1 交絡変数の影響
  5.2 個体内変動と個体間変動
  5.3 誤差を制御する
 6 因果の方向を同定する
 7 回帰分析の役割
  7.1 偏回帰係数の価値
  7.2 因果分析と予測
  7.3 直接効果の評価
  7.4 総合効果の評価
 8 非正規性の問題
 9 構造方程式モデリングの役割――まとめに代えて
 参考文献

第Ⅲ部 疫学・臨床研究における因果推論 佐藤俊哉・松山裕
 1 因果を探る
 2 因果モデル
  2.1 反事実
  2.2 因果効果と交絡
  2.3 交絡要因と交絡の調整
  2.4 喫煙は調整すべき交絡要因か
 3 因果グラフ
  3.1 因果グラフの基礎
  3.2 交絡と因果グラフ
 4 因果パラメータの推定
  4.1 曝露や治療が1回限りの場合
   (a) 層別解析による方法
   (b) 傾向スコア
   (c) 操作変数法
  4.2 時間依存性治療に対する因果効果の推定
   (a) 構造ネストモデル
   (b) 周辺構造モデル
 5 因果は巡る
 参考文献

 補論A 分布の非正規性の利用 竹内啓
 補論B 多次元ARモデルと因果関係 石黒真木夫

 索引
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