網野善彦対談集 1

歴史観の転換

阿部謹也,川田順造,山口昌男,二宮宏之,加藤周一,石井進――戦後日本の知を導いてきた六人との対話.

歴史観の転換
著者 山本 幸司
ジャンル 書籍 > 単行本 > 歴史
書籍 > シリーズ・講座・全集
シリーズ 網野善彦対談集
刊行日 2015/01/22
ISBN 9784000928113
Cコード 0321
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 308頁
定価 3,080円
在庫 在庫僅少
阿部謹也,川田順造,山口昌男,二宮宏之,加藤周一,石井進――戦後日本の学問・言論・思想を主導してきた第一人者たちとの間で交わされた,読み応えある対話六編.専門分野の違いを超えて時代感覚を共有する諸氏と,歴史に関わる大きな視点からの議論が展開される.初めての公刊となる神奈川大学大学院の最終講義「人類史の転換と歴史学」を巻末に収録.

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網野善彦(あみの よしひこ)
1928年,山梨県に生まれる.1950年,東京大学文学部国史学科卒業.日本常民文化研究所研究員,都立北園高校教諭,名古屋大学文学部助教授,神奈川大学短期大学部教授,神奈川大学経済学部特任教授を歴任.日本中世史を中心に幅広く研究・執筆活動を行った.2004年に76歳で生涯を閉じた.『蒙古襲来』『無縁・公界・楽』『日本中世の非農業民と天皇』『日本の歴史を読みなおす』『網野善彦著作集』(全18巻・別巻)など多数の著作がある.

■ 全巻構成

第1巻 歴史観の転換
第2巻 多様な日本列島社会
第3巻 海と日本人
第4巻 鎌倉・室町期の日本
第5巻 文学・芸能と歴史 〈最終回/6月26日発売〉

■ 編集にあたって

山本幸司

 2004年に網野善彦氏が亡くなってから,すでに十年を超えた.2007~09年に著作集が刊行され,主要著作については一望することが可能となったが,対談・鼎談の類は散在していて全容を見るのは難しい.対談相手の方々の対談集などに収録されたものもあるが,それもすでに一般の目に触れにくいものが多い.
 著書や論文とは違って対談の場合は,相手とのやり取りの中で触発されて,未完成の構想や,発表せずに自分の中に温めていたアイディアなどが,思わず知らず流れ出してしまうのが,読んでいて楽しい.どちらかというと生真面目な話し手という印象のある網野氏が,対談の雰囲気に引かれ,著書とはまたひと味違う語り口で持論を展開する姿に,網野氏の学問の新たな魅力を見出し,その広がりを再認識することも可能であろう.
 相当量に上る対談の中から,この対談集では主に網野氏と年代の近い方たちとの対談に絞った.収録した対談相手には,すでに亡くなった方も多く,かつて歴史学や関連分野で時代を主導する人びとであったにもかかわらず,現在では専門研究者を除いて読まれなくなった方々も少なくない.だが網野氏の学問が生まれ育ってきた時代背景を知る上では,こうした方々との交流を知ることが大事だと考え,このような構成を取ることにした.反面,現在活躍中の若い世代との対談などの多くを外さざるを得なくなった点は,ご了解頂きたい.

■ 特色

◎ 様々な分野の専門家と語り合った対談・鼎談の中から,既刊の対談本に収録されていないものを中心に選び,緩やかな五つのテーマ別にまとめる

◎ 各冊ごとに編者による「解題」を付す

◎ 歴史用語,地名,人名,書誌情報などに「注」を付す

◎ 未公刊の最終講義(1998年2月,神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科において)を第1冊に収める
山本幸司(やまもと こうじ)
1946年生.静岡文化芸術大学名誉教授.日本中世法制史・思想史専攻.著書に『穢と大祓』『頼朝の精神史』『〈悪口〉という文化』『人はなぜ騙すのか』 などがある.

書評情報

京都新聞(朝刊) 2015年2月15日
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