今日の宗教の諸相
さまよう孤独な魂の深層に,個人的な宗教性と新しい共同性との二面から光を投げる,精神史的現代への斬新な構想.
神的な秩序も国家の規範も,一切の拠り所なくさまよう孤独な魂──今日の精神の深層をいかに位置づけるべきだろうか.20世紀初頭の名著『宗教的経験の諸相』との対話/対決を手がかりに,この課題に挑戦する.宗教が呼び起こす生の現実と,再編されようとする共同性の次元と,二つの課題の交点に精神史的現代の顔を浮かび上がらせる.
書評情報
朝日新聞(朝刊) 2009年8月9日