時間と空間をめぐる12の謎

私たちが日ごろ何気なく使っている時間と空間の概念について,平易な語り口で哲学的に考えてゆく入門書.

時間と空間をめぐる12の謎
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著者 ロビン・レ・ペドヴィン , 植村 恒一郎 , 島田 協子
ジャンル 書籍 > 単行本 > 哲学
刊行日 2012/06/26
ISBN 9784000258470
Cコード 0010
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 366頁
在庫 品切れ
アリストテレスから,八つぁんに問いつめられる落語のご隠居に至るまで,時間と空間とは古来人びとの頭を悩ませてきた.日ごろ何気なく使っているこれらの概念について,古典的なパラドックスや代表的な哲学者の見解を紹介しながら,哲学的に考えてゆく.歴史や文学の話題を織り交ぜ,時間と空間をめぐる不思議な旅に読者を誘う入門書.

■編集部からのメッセージ

 時間や空間について哲学的に考察する本はいろいろとありますが,本書は出だしからして少し違っています.1894年に起こったグリニッジでの爆発事件とそれをもとにしたコンラッドの小説『密偵』の話からこの本は始まるのです(この先はどうぞ書店でご覧下さい).
 このように本書の特徴は,時間論の専門家であると同時に文学や歴史に造詣深い著者が,さまざまな文学作品や歴史的な出来事から事例をあげながら,主題の分析とうまくむすびつけて語る語り口にあります.哲学や物理学に興味をもつ読者が取り上げられた文学作品を覗いてみたくなり,文学や歴史に関心のある読者がカントやアリストテレスの著作に取り組んでみようと思って下されば幸いですし,ともかくも,幅広い読者に楽しんで頂けるだろうと思っています
はじめに
第1章 万物の尺度
グリニッジでの事件/測定基準,規約,事実/時間と自然法則
第2章 変化
変化としての時間/変化のない時間はありうるか/すべてのものには理由がある
第3章 側面のない箱はあるのか
二つの世界が出合うところ/真空に反対したアリストテレス/びん,ポンプ,気圧計/真空がもたらす教訓/空間は余計なもの/絶対運動を求めて
第4章 曲線と次元
任を解かれたユークリッド/空間はその現存を感じさせる/孤独な片手/三次元以上はあるのか
第5章 時間の始まりと終わり
創造の谺,終末の予兆/理由の限界/過去は無限か/巨大な円 第6章 空間の端
第6章 空間の端
端に立つアルキュタス/宇宙の外に空間はあるのか/無限という幻想
第7章 無限とパラドックス
ゼノン――亀はいかにしてアキレスを負かしたか/ゼノンへの二つの解答――無限小と有限主義/トムソンのランプ/静止から運動への移行の謎/デモクリトスの円錐/空間と時間の原子
第8章 時間は過ぎ去るのか
時間の経過の不思議/時間の非実在性についてのマクタガートの証明/第一の解決――現在主義/第二の解決――B理論/なぜ,ただ一つの現在しかないのか
第9章 映画のごとき宇宙
マイブリッジの馬とゼノンの矢/瞬間には運動は存在しないのか/現在の内には運動は存在しないのか/ゼノンと現在主義者
第10章 歴史に介入する
失われた日々/過去は変えられるか/タイムトラベラーのジレンマ/逆向きの因果関係
第11章 他にもある時間と空間
確率と多宇宙/枝分かれする空間/異論と帰結
第12章 時間の矢
隠された指標/三つの矢,そして事物が分離する理由/心の過去/時間の種子/平行する因果/時間順序は単に局地的なものだろうか/原因はその結果と同時であるのか/方向なき世界における方向の感覚
まとめの考察
ダン氏の夢と若干の補遺
訳者あとがき

文献リスト
さらに読む人のために
索 引
ロビン・レ・ペドヴィン(Robin Le Poidevin)
イギリス・リーズ大学哲学科教授.形而上学,認識論,宗教哲学.おもな著書にAgnosticism: A Very Short Introduction. Oxford UP, 2010.The Images of Time: An Essay on Temporal Representation. Oxford UP, 2007.編著書にThe Philosophy of Time. Oxford UP, 1993 など.植村恒一郎(うえむら つねいちろう)
群馬県立女子大学教授.哲学,時間論.
著者に『時間の本性』『心/脳の哲学』(岩波講座「哲学」,共著)ほか, 翻訳にカント『視霊者の夢』(岩波カント全集),バークリ『視覚新論』(共訳)ほか.
島田協子(しまだ きょうこ)
群馬県立女子大学准教授.現代英米詩,モダニズム.
共著に『読書する女性たち』『モダンにしてアンチモダン――T.S.エリオットの肖像』 ほか,共訳に『岩波=ケンブリッジ世界人名辞典』ほか.
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