読むことのアレゴリー

ルソー,ニーチェ,リルケ,プルーストにおける比喩的言語

批評理論・現代思想に決定的な影響を与えたポール・ド・マン(一九一九─八三年)の主著,待望の全訳.

読むことのアレゴリー
著者 ポール・ド・マン , 土田 知則
ジャンル 書籍 > 単行本 > 哲学
刊行日 2012/12/21
ISBN 9784000254632
Cコード 0010
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 428頁
在庫 品切れ
批評界に大きな衝撃を与え,ハロルド・ブルーム,ジェフリー・H・ハートマン,J・ヒリス・ミラーの名で知られる「イェール学派」の領袖ポール・ド・マン(1919-83年).文学批評ばかりか哲学・思想の領域にまで深い影響を与えたド・マンの「脱構築批評」は,本書『読むことのアレゴリー』(1979年)によって,その全貌を知らしめ,世界を震撼させた.
 ド・マンの主著にして現代批評理論・現代思想の領域に聳え立つ一大金字塔である本書は,長らく邦訳が待ち望まれていた一冊である.原著刊行から30年以上の時を経て,ついに完訳なる.
凡 例
序 文

第1部 修辞(学)
第1章 記号学と修辞学
第2章 文 彩(リルケ)
第3章 読むこと(プルースト)
第4章 生成と系譜(ニーチェ)
第5章 文彩のレトリック(ニーチェ)
第6章 説得のレトリック(ニーチェ)

第2部 ルソー
第7章 隠 喩(第二論文)
第8章 自 己(『ピュグマリオン』)
第9章 アレゴリー(『ジュリ』)
第10章 読むことのアレゴリー(『サヴォワの助任司祭の信仰告白』)
第11章 約 束(『社会契約論』)
第12章 言い訳(『告白』)

訳者あとがき
人名・作品名索引
ポール・ド・マン(Paul de Man)
1919年,アントワープ(ベルギー)生まれ.ブリュッセル自由大学で工学と化学を専攻する傍ら,哲学・文学を学ぶ.第2次世界大戦後,アメリカ合衆国に移住し,1960年にはハーヴァード大学でPh. D. を取得(比較文学).コーネル大学,チューリヒ大学,ジョンズ・ホプキンス大学などで教鞭を執ったあと,1970年以後はイェール大学教授を務める.1983年没.
[著書]『盲目と洞察――現代批評の修辞学における試論』(原著1971年,第2版1983年.邦訳:月曜社,2012年),『読むことのアレゴリー』(原著1979年),『ロマン主義のレトリック』(原著1984年.邦訳:法政大学出版局,1998年),『理論への抵抗』(原著1986年.邦訳:国文社,1992年),『美学イデオロギー』(原著1996年.邦訳:平凡社,2005年)ほか

土田知則(つちだ とものり)
1956年 長野県生まれ
1987年 東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学
現在,千葉大学文学部教授
[専門]フランス文学・文学理論
[著書]『現代文学理論――テクスト・読み・世界』(共著,新曜社,1996年),『プルースト――反転するトポス』(新曜社,1999年),『間テクスト性の戦略』(夏目書房,2000年),『文学理論のプラクティス――物語・アイデンティティ・越境』(共著,新曜社,2001年),『狂気のディスクルス』(編著,夏目書房,2006年),『ポール・ド・マン――言語の不可能性,倫理の可能性』(岩波書店,2012年)ほか
[訳書]ショシャナ・フェルマン『狂気と文学的事象』(水声社,1993年),バーバラ・ジョンソン『詩的言語の脱構築――第二ボードレール革命』(水声社,1997年),ジャン=ジョゼフ・グー『言語の金使い――文学と経済学におけるリアリズムの解体』(新曜社,1998年),マーティン・マックィラン『ポール・ド・マンの思想』(新曜社,2002年),ジャック・デリダ『そのたびごとにただ一つ,世界の終焉』(共訳,岩波書店,2006年)ほか

書評情報

週刊現代 2013年3月23日号
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