ジャック・ラカン 転移 (下)

ヨーロッパ文化を縦横に駆けながら,愛と欲望をめぐって精神分析の根本現象「転移」を再考する,セミネール第8巻.

ジャック・ラカン 転移 (下)
著者 ジャック=アラン・ミレール , 小出 浩之 , 鈴木 國文 , 菅原 誠一
ジャンル 書籍 > 単行本 > 心理・精神医学
刊行日 2015/11/26
ISBN 9784000240529
Cコード 0011
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 320頁
定価 5,720円
在庫 在庫僅少
1960年,精神分析の根幹現象「転移」に再度足を踏み入れたラカンが取り組んだのは「愛」にまつわるヨーロッパ文化の広大な作品群であった.分析―被分析の関係を,自他の欲望の乱反射として捉え返す本書の議論は,のちの重要概念「対象a」へと繋がっていく.欲望と「知」をめぐるスリルに満ちたセミネール第8巻.(全2冊完結)
■上巻

導入
I 始めに愛ありき
 愛の源 プラトンの『饗宴』の注釈
II 舞台装置と登場人物たち
III 愛の隠喩――ファイドロス
IV 富者の心理学――パウサニアス
V 医学的調和――エリュキシマコス
VI 球体の嘲弄――アリストファネス
VII エロスの場違いさ――アガトン
VIII 「エピステーメ」から「ミュトス」へ
IX 超世界の出口
X 「アガルマ」
XI ソクラテスとアルキビアデスの間
 欲望の対象,そして去勢の弁証法
XII 現在への転移
XIII 逆転移の批判


■下巻

 欲望の対象,そして去勢の弁証法(承前)
XIV 口唇期と肛門期における要求と欲望
XV 口唇的,肛門的,性器的
XVI プシュケと去勢コンプレックス
XVII 象徴Φ
XVIII 現実的な現前
 今日のエディプス神話 ポール・クローデルのクーフォンテーヌ三部作の注釈
XIX シーニュの否
XX チュルリュールのおぞましさ
XXI パンセの欲望
XXII 構造的分解
 大文字のIと小文字のa
XXIII 理想の意味の滑動
XXIV 《EIN EINZIGER ZUGただ一つの線刻》による同一化
XXV 欲望との関係における不安
XXVI 影の夢,人間
XXVII 分析家とその喪
ジャック・ラカン(Jacques Lacan 1911-1981)
フランスの精神分析家.パリに生まれ,パリ大学で精神医学を修め,主にパラノイアを研究.第二次大戦後,フロイト理論をラディカルに展開し,有名な「鏡像段階論」をはじめとする自我や無意識の構造主義的探究によって,精神の科学に新たなる地平を拓いた.1964年にはパリ・フロイト派を創設し,その後のフランス精神分析の隆盛に決定的な役割を果たす.その思想活動は哲学・社会学・文学・言語論,記号論などにも広汎な影響を及ぼした主著に 『エクリ』(1966).
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