ヴァイマールの聖なる政治的精神

ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム

世紀転換期ドイツで展開された多彩な思想的営為と聖なる時代精神を,神学思想史を軸に鮮やかに描き出す.

ヴァイマールの聖なる政治的精神
著者 深井 智朗
ジャンル 書籍 > 単行本 > 宗教
刊行日 2012/05/25
ISBN 9784000222242
Cコード 0016
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 326頁
在庫 品切れ

謹告

小社が2012年5月に刊行いたしました深井智朗氏の著書『ヴァイマールの聖なる政治的精神──ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム』(以下、本書)を、絶版とし、可能な限り回収することを、本日、社として決定いたしましたので、謹告いたします。
2019年5月10日に公表されました東洋英和女学院大学調査委員会の報告書(以下、報告書)によりますと、本書には、研究上の不正行為にもとづく記述が含まれていること、具体的には、本書の第4章で紹介されている神学者カール・レーフラーなる人物、およびその人物が著したとされる論文は、いずれもその存在を確認できず、深井氏による捏造であると認定されました。
また、本書の197頁から198頁にかけての記述は、他の著作物の一部と似通ったものであることが指摘され、当該箇所は、深井氏による盗用と認定されました。
さらに、同報告書によりますと、『図書』2015年8月号に掲載しました、同氏による論考「エルンスト・トレルチの家計簿」には、存在を確認できない資料に依拠した記述が含まれていることが、認定されています。
小社は、すでに昨年10月、本書を出品停止にしておりますが、同報告書の判断を重く受けとめ、著者深井氏に連絡のうえで、本書を絶版とすることといたしました。
本書につきましては、送料小社負担にて回収させていただきます。既にご購入いただいた方は、誠にお手数ですが、下記の小社読者係まで、本書を小社着払いでお送りくださいますようお願いいたします。ご返品を受領し次第、現金書留にてご返金させていただきます。
この度は、読者のみなさまのご信頼を著しく損なうこととなり、また多大なご迷惑をおかけいたしましたことを、衷心よりお詫び申し上げます。
2019年5月13日
岩波書店

(ご返品送付・連絡先)

〒101-8002 東京都千代田区一ツ橋2-5-5
岩波書店営業部「読者係」 電話03-5210-4111
プロローグ 聖なる政治的精神
――近代ドイツ・プロテスタンティズムの二つの政治神学
第1章 アドルフ・フォン・ハルナックとマックス・ヴェーバー
――世紀末の二人のリベラル・ナショナリスト
第2章 ゲオルク・ジンメルが見た転換期のドイツ神学
――ヴィルヘルム帝政期の国家神学とヴァイマールの神聖フロント世代の政治神学
第3章 学問の市場化としての「学問における革命」
――大学神学部と大学の外の神学
第4章 ニーチェは神学を救うのか
――ヴィルヘルム期からヴァイマール期の神学におけるニーチェの奇妙な流行
第5章 ヴァイマールの神聖フロント世代の殿を戦うディートリッヒ・ボンヘッファー
第6章 神聖フロント世代の両義的な政治精神
――パウル・ティリッヒとエマヌエル・ヒルシュにおける「民族的なもの」
エピローグ プロテスタンティズムとナショナリズム

あとがき
参考文献一覧
人名索引

深井智朗(ふかい ともあき)
1964年生まれ.アウクスブルク大学哲学・社会学部博士課程修了.Dr. Phil.(アウクスブルク大学),文学博士(京都大学).現在,金城学院大学人間科学部教授.
著書に『アポロゲティークと終末論――近代におけるキリスト教批判とその諸問題』(北樹出版),『超越と認識――20世紀神学史における神認識の問題』(創文社),『十九世紀のドイツ・プロテスタンティズム――ヴィルヘルム帝政期における神学の社会的機能の研究』(教文館),『思想としての編集者――近代プロテスタンティズムと出版史』(新教出版社)などがある.

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