聞き書 野中広務回顧録
「影の総理」「政界の狙撃手」と呼ばれ,九〇年代の日本政治をリードした著者による貴重な証言記録.
57歳で中央政界に進出,自治大臣,官房長官,自民党幹事長と権力の階段を駆け上がり,九〇年代の日本政治をリードした野中広務氏.村山,橋本,小渕,森内閣を裏側で支え,「政界の狙撃手」との異名を取った氏は激動の政治状況の中でどのように決断し,いかに闘ったのか.これまで語られなかった新事実をまじえ,なまなましく語る.
■著者からのメッセージ
「時事放談」への出演依頼があり,故・後藤田正晴先生から,「君が相手なら出るよ! お互いに言うべきことを述べようよ」とおっしゃっていただき,2004年4月25日から岩見隆夫さんの司会で後藤田先生とたびたびご一緒させていただきました.
月2回の出演が,後藤田先生のご体調もあり,月1回となり,私と異なって,あらかじめ内容を精査検証され,正確な資料を持って必殺の気迫でお話しをされるので,先生は随分お疲れになられたことと思います.
2005年7月の収録を最後に,次の収録を予定されながら,9月19日御逝去され,突然のことでしたが,9月25日に「時事放談」で,それまで面識のなかった御厨貴先生と,後藤田先生を偲び,先生の数々のご功績とお人柄をお話したのが御厨先生との最初の出会いでありました.
知識が深く明るい表情で,的確な一言一言を述べられる先生に,私が相手ではバランスがとれないで随分迷惑されたであろうと恐縮しておりました.
翌2006年9月と10月にもご一緒させていただき,2007年4月からは御厨先生が司会者となられ,旧知の方々との対談とは申せ,それぞれがそれぞれの立場でのやりとりに,司会の御厨先生に随分助けていただいているなぁ,と感謝しています.
その御厨先生から「オーラル・ヒストリー」のお話しを頂戴し,お引き受けいたしましたが,浪人の身でありながら大変忙しく,13回の聞き取りに実に2年余りの歳月がかかり,牧原出先生,高橋洋先生,菅原琢先生はじめ,スタッフの皆さんには大変なご苦労とご辛抱をいただいたと心から感謝しています.
聞き取りから2年後の今は,消費税・社会保障の一体改革に政治生命をかけるという野田首相,反対の小沢一郎氏,行司役の輿石幹事長,自民党の谷垣総裁による舞台が繰り広げられています.
国民と国家の行方は政治家の唯一の責任であること,東日本大震災をはじめとする多くの災害,世界経済の状況に,老兵は一人の国民として心を痛めています.
■著者からのメッセージ
「時事放談」への出演依頼があり,故・後藤田正晴先生から,「君が相手なら出るよ! お互いに言うべきことを述べようよ」とおっしゃっていただき,2004年4月25日から岩見隆夫さんの司会で後藤田先生とたびたびご一緒させていただきました.
月2回の出演が,後藤田先生のご体調もあり,月1回となり,私と異なって,あらかじめ内容を精査検証され,正確な資料を持って必殺の気迫でお話しをされるので,先生は随分お疲れになられたことと思います.
2005年7月の収録を最後に,次の収録を予定されながら,9月19日御逝去され,突然のことでしたが,9月25日に「時事放談」で,それまで面識のなかった御厨貴先生と,後藤田先生を偲び,先生の数々のご功績とお人柄をお話したのが御厨先生との最初の出会いでありました.
知識が深く明るい表情で,的確な一言一言を述べられる先生に,私が相手ではバランスがとれないで随分迷惑されたであろうと恐縮しておりました.
翌2006年9月と10月にもご一緒させていただき,2007年4月からは御厨先生が司会者となられ,旧知の方々との対談とは申せ,それぞれがそれぞれの立場でのやりとりに,司会の御厨先生に随分助けていただいているなぁ,と感謝しています.
その御厨先生から「オーラル・ヒストリー」のお話しを頂戴し,お引き受けいたしましたが,浪人の身でありながら大変忙しく,13回の聞き取りに実に2年余りの歳月がかかり,牧原出先生,高橋洋先生,菅原琢先生はじめ,スタッフの皆さんには大変なご苦労とご辛抱をいただいたと心から感謝しています.
聞き取りから2年後の今は,消費税・社会保障の一体改革に政治生命をかけるという野田首相,反対の小沢一郎氏,行司役の輿石幹事長,自民党の谷垣総裁による舞台が繰り広げられています.
国民と国家の行方は政治家の唯一の責任であること,東日本大震災をはじめとする多くの災害,世界経済の状況に,老兵は一人の国民として心を痛めています.
野中広務
(2012年6月)
(2012年6月)
はしがき 御厨 貴
第1章 国政に出るまで
第2章 創政会の旗揚げと竹下内閣の誕生
第3章 竹下・宇野・海部内閣時代
第4章 「政界の狙撃手」
第5章 「野党・自民党」の闘い
第6章 「自社さ」村山内閣の誕生
第7章 「戦後五十年」と危機管理――自治大臣・国家公安委員長として
第8章 橋本内閣を支えて
第9章 普天間問題と橋本行革
第10章 悪魔にひれ伏してでも――小渕内閣官房長官時代
第11章 小渕首相,倒れる
第12章 神の国発言・加藤の乱・えひめ丸事故――森内閣の退陣まで
第13章 小泉内閣時代と政界引退
後記 野中広務
オーラル・ヒストリーを終えて 牧原 出
野中広務略年譜
第1章 国政に出るまで
第2章 創政会の旗揚げと竹下内閣の誕生
第3章 竹下・宇野・海部内閣時代
第4章 「政界の狙撃手」
第5章 「野党・自民党」の闘い
第6章 「自社さ」村山内閣の誕生
第7章 「戦後五十年」と危機管理――自治大臣・国家公安委員長として
第8章 橋本内閣を支えて
第9章 普天間問題と橋本行革
第10章 悪魔にひれ伏してでも――小渕内閣官房長官時代
第11章 小渕首相,倒れる
第12章 神の国発言・加藤の乱・えひめ丸事故――森内閣の退陣まで
第13章 小泉内閣時代と政界引退
後記 野中広務
オーラル・ヒストリーを終えて 牧原 出
野中広務略年譜
野中広務(のなか・ひろむ)
1925年,京都府船井郡(現在の南丹市)園部町に生まれる.51年に園部町議に当選.以後,園部町長,京都府議,副知事を経て,83年,衆議院議員に初当選.94年に自治大臣・国家公安委員長に就任.以後,官房長官,沖縄開発庁長官,自民党幹事長などを歴任.03年に議員を引退.現在,全国土地改良事業団体連合会(全国水土里ネット)会長など.また,社会福祉法人京都太陽の園の理事長として福祉事業に取り組んでいる.著書に『私は闘う』『老兵は死なず――野中広務全回顧録』(以上,文藝春秋),などがある.
御厨 貴(みくりや・たかし)
1951年,東京に生まれる.東京大学法学部卒業.ハーバード大学客員研究員,東京都立大学教授,政策研究大学院大学教授,東京大学先端科学技術研究センター教授などを歴任.現在,放送大学教授,東京都立大学名誉教授,東京大学客員教授.
著書に,『政策の総合と権力』(東京大学出版会),『馬場恒吾の面目』『日本の近代3明治国家の完成』(中央公論新社),『オーラル・ヒストリー』(中公新書),『権力の館を歩く』(毎日新聞社),『知と情――宮澤喜一と竹下登の政治観』(朝日新聞出版)など.
牧原 出(まきはら・いづる)
1967年,愛知県に生まれる.東京大学法学部卒業.東北大学法学部助教授,ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客席研究員などを経て,現在,東北大学大学院法学研究科教授.著書に,『内閣政治と「大蔵省支配」――政治主導の条件』(中央公論新社), 『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会)など.
1925年,京都府船井郡(現在の南丹市)園部町に生まれる.51年に園部町議に当選.以後,園部町長,京都府議,副知事を経て,83年,衆議院議員に初当選.94年に自治大臣・国家公安委員長に就任.以後,官房長官,沖縄開発庁長官,自民党幹事長などを歴任.03年に議員を引退.現在,全国土地改良事業団体連合会(全国水土里ネット)会長など.また,社会福祉法人京都太陽の園の理事長として福祉事業に取り組んでいる.著書に『私は闘う』『老兵は死なず――野中広務全回顧録』(以上,文藝春秋),などがある.
御厨 貴(みくりや・たかし)
1951年,東京に生まれる.東京大学法学部卒業.ハーバード大学客員研究員,東京都立大学教授,政策研究大学院大学教授,東京大学先端科学技術研究センター教授などを歴任.現在,放送大学教授,東京都立大学名誉教授,東京大学客員教授.
著書に,『政策の総合と権力』(東京大学出版会),『馬場恒吾の面目』『日本の近代3明治国家の完成』(中央公論新社),『オーラル・ヒストリー』(中公新書),『権力の館を歩く』(毎日新聞社),『知と情――宮澤喜一と竹下登の政治観』(朝日新聞出版)など.
牧原 出(まきはら・いづる)
1967年,愛知県に生まれる.東京大学法学部卒業.東北大学法学部助教授,ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客席研究員などを経て,現在,東北大学大学院法学研究科教授.著書に,『内閣政治と「大蔵省支配」――政治主導の条件』(中央公論新社), 『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会)など.
書評情報
週刊東洋経済 2015年12月26日-2016年1月12日合併号
都市問題 2012年12月号
読売新聞(朝刊) 2012年9月2日
熊本日日新聞 2012年8月12日
琉球新報 2012年8月12日
信濃毎日新聞(朝刊) 2012年8月12日
新潟日報(朝刊) 2012年8月12日
沖縄タイムス 2012年8月11日
京都新聞(朝刊) 2012年8月5日
下野新聞 2012年8月5日
都市問題 2012年12月号
読売新聞(朝刊) 2012年9月2日
熊本日日新聞 2012年8月12日
琉球新報 2012年8月12日
信濃毎日新聞(朝刊) 2012年8月12日
新潟日報(朝刊) 2012年8月12日
沖縄タイムス 2012年8月11日
京都新聞(朝刊) 2012年8月5日
下野新聞 2012年8月5日