国際立憲主義の時代

カント以来の課題となっている国際社会における法の支配,立憲主義の確立に向けて,いま何をすべきか.

国際立憲主義の時代
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著者 最上 敏樹
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2007/11/28
ISBN 9784000228763
Cコード 0031
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 300頁
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
国際社会においても法の支配,立憲主義を確立することがカント以来の課題となっている.どのようにすればその実現に近づけるのか,歴史的・思想的に国際機構はいかなる意味を持ち,また日本国憲法の平和主義はどう関わることができるのか.リアルな現実認識をもちつつ理想を追求する著者の代表的主要論考を精選した論文集.

■著者からのメッセージ

本書は過去一八年間,国際法および国際機構論の分野で筆者が書きためた,専門的あるいは準専門的な論文をまとめたものである.とはいえ,一八年も前にさかのぼるのは一本のみで,大部分は一九九〇年代中盤以降の論考である.いずれも専門誌や専門書に掲載され,必ずしも一般の読者には届きやすくない形で公刊されたままでいた.しかし,どれも時代の課題に正面から向き合おうとして書いた論文だったので,より多くの読者に届いてくれればと願い,重要と思われる論考を選んで集成したものである.新聞や総合雑誌など,比較的読者に届きやすい媒体に発表したものに比べ,少々難解なものも混じっているかもしれないが,専門家としては時代の課題とこのような形で取り組んできた.本書はそのことの証しである.
 ただ,専門的・準専門的な論文を集めただけではあまり意味がない.何を主題にまとめれば単行本としての責任を果たせるかと考え,最終的に《国際立憲主義》を基軸にしようと考えた.ここ十数年,筆者がさまざまな形で思考し,議論を重ねてきたテーマである.筆者はそれを,ある時には《多国間主義》の議論として,またある時には《法の支配》の議論として,多角的に論じてきた.三つの概念は必ずしも同じではないが,時には相互互換的になるし,少なくとも密接に関わっている.その中で《国際立憲主義》は最も包括的な概念だが,同時に最も未熟でもあり,いまこの時点で切り開いておかねばならない.国際法秩序が大きく揺るがされている時だからこそ,その再生の可能性を探る国際法学が存在すべきだと思うのだ.

(本書「あとがき」より
I
国際立憲主義とは何か
国連の《200年》
正義と人道の法構造
多国間主義と法の支配

II
思想としての国際機構
国際機構と民主主義
国際機構と平和波動
国連法体系の展望

III
平和に対する権利
日本国憲法・国連憲章・立憲主義
あとがき
最上 敏樹(もがみ としき)
1950年北海道生まれ
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了
国際基督教大学教授
専攻 国際法・国際機構論
主要著作
『国連システムを超えて』岩波書店(1995.12)
『人道的介入』岩波新書(2001.10)
『国連とアメリカ』同(2005.3)
『いま平和とは』同(2006.3)
『国際機構第2版』東京大学出版会(2006.3)
『国境なき平和に』みすず書房(2006.1)
『ユネスコの危機と世界秩序』東研出版(1987.2)

書評情報

公明新聞 2008年3月10日
朝日新聞(朝刊) 2008年2月3日
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