「この国のかたち」を考える
日本の「自己イメージ」について,人びとはどう考えてきたか.さまざまな分野の専門家による白熱講義.
人に人柄があるように,国にも国柄がある.日本という国の「国柄」や「自己イメージ」について,日本人はこれまでどのように考えてきたか.憲法学,政治学,歴史学,社会学等,さまざまな分野の専門家が,憲法実践,戦争の記憶,戦後思想,テレビ広告,対米観などを手がかりに論じ,憲法とは,国家とは何かを考えるための素材を提供する.東京大学で行われた学術俯瞰講義から生まれたユニークな本.
■著者からのメッセージ
人にそれぞれ人柄があるように,国にも国柄があります.現在の日本の国柄はどのようなものか,憲法のテクストを変えること,あるいは憲法の意味に関する政府見解を変えることは,その国柄にどんな影響を及ぼすことになるのか.日本という国を守るとは,突き詰めたとき,何を意味するのか.本書がそうした問題を考える手掛かりとなれば幸いです.
■著者からのメッセージ
人にそれぞれ人柄があるように,国にも国柄があります.現在の日本の国柄はどのようなものか,憲法のテクストを変えること,あるいは憲法の意味に関する政府見解を変えることは,その国柄にどんな影響を及ぼすことになるのか.日本という国を守るとは,突き詰めたとき,何を意味するのか.本書がそうした問題を考える手掛かりとなれば幸いです.
はしがき(長谷部恭男)
I 日本の思想と憲法――皇室制度をめぐって 苅部 直
1 「この国のかたち」?
2 国制論における皇室
3 戦後の皇室と「平成流」
II 戦争の記憶と国家の位置づけ 加藤陽子
はじめに
1 戦争の記憶
2 日清戦争研究の現在
3 日露戦争研究の現在
おわりに
III 憲法は変えることができるか 葛西康徳
1 終わった議論?――尾高朝雄の「ノモス主権論」
2 ジョン・ベイカー卿の「我々の不文憲法」
3 古代アテネの憲法訴訟――ノモス nomos とエピテーデウマタ epitedeumata
4 結びにかえて――ノモス再登場
IV 広告化する戦後と自己像の再定義 吉見俊哉
1 「健康で文化的な生活」
2 憧れの「三種の神器」
3 誇り高き「メイド・イン・ジャパン」
4 「和風モダン」のリビングルーム
5 自己のドラマとしての「ディスカバー・ジャパン」
6 広告のなかの「この国のかたち」
V 憲法の運用と「この国のかたち」 宍戸常寿
はじめに
1 「この国のかたち」
2 憲法の運用
3 アメリカにおける憲法の制定,改正と運用
4 ドイツにおける憲法の制定,改正と運用
5 中間総括
6 日本国憲法の制定と運用
むすびにかえて
VI 戦後の平和思想と憲法 苅部 直
1 日本国憲法と「自然法」
2 「平和憲法」の起源
VII 憲法学から見た国家――「この国」を守るとは,何を意味するか
1 国家と憲法
2 なぜ国家という約束事があるのか
3 戦争する国家
4 革命と戦争
5 憲法による戦争の抑制
6 平和主義と立憲主義
7 集団的自衛権の否定
8 砂川事件判決
9 何が得られるのか
10 日本の未来
I 日本の思想と憲法――皇室制度をめぐって 苅部 直
1 「この国のかたち」?
2 国制論における皇室
3 戦後の皇室と「平成流」
II 戦争の記憶と国家の位置づけ 加藤陽子
はじめに
1 戦争の記憶
2 日清戦争研究の現在
3 日露戦争研究の現在
おわりに
III 憲法は変えることができるか 葛西康徳
1 終わった議論?――尾高朝雄の「ノモス主権論」
2 ジョン・ベイカー卿の「我々の不文憲法」
3 古代アテネの憲法訴訟――ノモス nomos とエピテーデウマタ epitedeumata
4 結びにかえて――ノモス再登場
IV 広告化する戦後と自己像の再定義 吉見俊哉
1 「健康で文化的な生活」
2 憧れの「三種の神器」
3 誇り高き「メイド・イン・ジャパン」
4 「和風モダン」のリビングルーム
5 自己のドラマとしての「ディスカバー・ジャパン」
6 広告のなかの「この国のかたち」
V 憲法の運用と「この国のかたち」 宍戸常寿
はじめに
1 「この国のかたち」
2 憲法の運用
3 アメリカにおける憲法の制定,改正と運用
4 ドイツにおける憲法の制定,改正と運用
5 中間総括
6 日本国憲法の制定と運用
むすびにかえて
VI 戦後の平和思想と憲法 苅部 直
1 日本国憲法と「自然法」
2 「平和憲法」の起源
VII 憲法学から見た国家――「この国」を守るとは,何を意味するか
1 国家と憲法
2 なぜ国家という約束事があるのか
3 戦争する国家
4 革命と戦争
5 憲法による戦争の抑制
6 平和主義と立憲主義
7 集団的自衛権の否定
8 砂川事件判決
9 何が得られるのか
10 日本の未来
編者:長谷部恭男(はせべ やすお)
1956年生.早稲田大学法学学術院教授,憲法学.著書に『憲法の円環』(岩波書店),『憲法とは何か』(岩波新書)など.
葛西康徳(かさい やすのり)
1955年生.東京大学文学部教授.西洋古典学.著書に『これからの教養教育――「カタ」の効用』(共編,東信堂),「古代ギリシアにおける法の解凍について」(林信夫・新田一郎編『法が生まれるとき』創文社所収).
加藤陽子(かとう ようこ)
1960年生.東京大学文学部教授.日本近現代史.著書に『満州事変から日中戦争へ』(岩波新書),『それでも,日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)など.
苅部 直(かるべ ただし)
1965年生.東京大学法学部教授.日本政治思想史.著書に『歴史という皮膚』『物語 岩波書店百年史3 「戦後」から離れて』(いずれも岩波書店)など.
宍戸常寿(ししど じょうじ)
1974年生.東京大学法学部教授.憲法学.『憲法裁判権の動態』(弘文堂),『憲法 解釈論の応用と展開(第2版)』(日本評論社)など.
吉見俊哉(よしみ しゅんや)
1957年生.東京大学情報学環教授.社会学.『親米と反米』(岩波新書),『夢の原子力』(ちくま新書)など.
1956年生.早稲田大学法学学術院教授,憲法学.著書に『憲法の円環』(岩波書店),『憲法とは何か』(岩波新書)など.
葛西康徳(かさい やすのり)
1955年生.東京大学文学部教授.西洋古典学.著書に『これからの教養教育――「カタ」の効用』(共編,東信堂),「古代ギリシアにおける法の解凍について」(林信夫・新田一郎編『法が生まれるとき』創文社所収).
加藤陽子(かとう ようこ)
1960年生.東京大学文学部教授.日本近現代史.著書に『満州事変から日中戦争へ』(岩波新書),『それでも,日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)など.
苅部 直(かるべ ただし)
1965年生.東京大学法学部教授.日本政治思想史.著書に『歴史という皮膚』『物語 岩波書店百年史3 「戦後」から離れて』(いずれも岩波書店)など.
宍戸常寿(ししど じょうじ)
1974年生.東京大学法学部教授.憲法学.『憲法裁判権の動態』(弘文堂),『憲法 解釈論の応用と展開(第2版)』(日本評論社)など.
吉見俊哉(よしみ しゅんや)
1957年生.東京大学情報学環教授.社会学.『親米と反米』(岩波新書),『夢の原子力』(ちくま新書)など.