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女性と人間開発

潜在能力アプローチ

南アジアの女性たちへのフィールドワークを基に,「人間の善き生き方とは何か」という哲学的課題に答える.

女性と人間開発
著者 マーサ・C.ヌスバウム , 池本 幸生 , 田口 さつき , 坪井 ひろみ
ジャンル 書籍 > 単行本 > 経済
刊行日 2005/10/26
ISBN 9784000234153
Cコード 0033
体裁 四六 ・ 上製 ・ 454頁
在庫 品切れ
地球上で,どれだけの女性が人間らしい生活をする自由を持っているのだろうか――アマルティア・センと共に「生活の質」の研究に従事してきた著者が,主に南アジアの女性たちを対象にした綿密なフィールドワークを基にして,開発問題の根底に存在する「人間の善き生き方とは何か」という哲学的課題に真正面から答える.
 日本語版への序文
 序文
 謝辞

序章 フェミニズムと国際開発
 1 開発と男女の平等
 2 ケイパビリティ・アプローチの概観
 3 ケイパビリティ・アプローチ──センとヌスバウム
 4 羽ばたこうとする二人の女性
 5 インド──現実ではなく、理論上の男女の平等
 6 同じということ、違うということ

第1章 普遍的価値の擁護のために
 1 文化を超えた規範を求めて
 2 三つの議論──文化・多様性・温情主義
 3 標準的な経済的アプローチの欠点
 4 人間の中心的ケイパビリティ
 5 機能とケイパビリティ
 6 ケイパビリティと人権
 7 正当化と履行──民主政治
 8 女性の生におけるケイパビリティ──公共活動のための役割

第2章 適応的な選好と女性の選択肢
 1 選好と生活の良さ──不満足なふたつの極端な立場
 2 選好概念に関する問題点
 3 厚生主義──内的批判
 4 適応的選好と厚生主義の拒否
 5 願望と正当化
 6 政治的安定と習慣の深さ

第3章 宗教の役割
 1 信仰の自由と男女の平等──ひとつのジレンマ
 2 世俗的人道主義者と伝統主義者
 3 私たちを導くふたつの原理
 4 政府の重大な関心事としての中心的ケイパビリティ
 5 非宗教、国教樹立禁止条項、バランス
 6 応用──三つのケース
 7 子どもと親
 8 ケイパビリティと失われるもの

第4章 愛・ケア・尊厳
 1 愛と暴力の場としての家庭
 2 ケイパビリティ──家族のひとりひとりを目的として
 3 家族──「自然なもの」ではなく
 4 国家によって創られた家族
 5 ケアする者としての女性──「著しく人工的なもの」
 6 政治的リベラリズムと家族──ロールズのジレンマ
 7 交渉アプローチと女性の選択肢
 8 国際フェミニズムの二つの論争

結論

 訳者あとがき
 注
 人名キーワード
 事項キーワード

書評情報

読売新聞(朝刊) 2006年2月12日
日本経済新聞(朝刊) 2006年1月22日
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