スノーデン・ショック

民主主義にひそむ監視の脅威

アメリカ国家安全保障局(NSA)による監視は『一九八四年』を凌ぐ不都合な真実だった.スノーデンの警告がここに.

スノーデン・ショック
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著者 デイヴィッド・ライアン , 田島 泰彦 , 大塚 一美 , 新津 久美子
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2016/04/05
ISBN 9784000010849
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 並製 ・ 208頁
定価 本体1,900円+税
在庫 在庫あり
2013年6月,世界を震撼させた一人の若者――スノーデン.彼はアメリカ国家安全保障局(NSA)によるデータ監視がオーウェル『一九八四年』をはるかに凌ぐものだという不都合な真実を暴露した.情報・通信企業も一枚絡んだ世界中の万人監視の構造と機能が明らかにされる.打ち続くテロに対する「安全国家」の出現を見据え,デジタル時代の自由と民主主義を考える必読書.


■編集部からのメッセージ

 ビッグデータを収集せよ! ビッグブラザーを超えよ!
 2013年6月,世界を震撼させた一人の若者――エドワード・スノーデン.彼の背中を押したものはこれだ.
 「我々は管理された社会に住みたいのか,それとも自由な社会に住みたいのか.それが問題だ.」
 「スノーデン・ショック」に真摯に応答するものはこれまでに果たしていたか.

 本書はこの問いをめぐる応答だ.『一九八四年』をはるかに凌ぐデジタル時代の管理社会はどのように運営されているのか.アメリカ国家安全保障局(NSA)による世界中の万人監視の構造と機能が明らかに.米国を通る光ファイバーケーブル網を牛耳り,世界的な情報・通信・メディア企業との癒着の中で繰り広げられる,ビッグデータ運用に基づくNSAの監視は,社会的選別と予防的監視を現実世界に生み,「オンライン」と「オフライン」の世界が深く結び付いていることを示す.
 バーチャル空間,サイバースペース,クラウド……偽りのイメージに惑わされてはいけない.我々は伝えたい相手だけに情報を提供している訳ではないのだ.新しい自由な社会を構築するために,我々がいま実行しなければならないことは何か.同時多発テロ後の米国,パリ襲撃事件後の仏国など,テロリズムに対する「安全国家」の出現は,デジタル時代の自由と民主主義の再構築を迫っている.未来は暗いのか.是非若い世代にも本書を手に取ってほしい.
 2015年夏にはウィキリークスを経由して,「Targets Tokyo(東京を監視せよ)」プログラムも暴露された.日米同盟の現実であり,他人事ではない.「民主主義を取り戻す」ための必読書を緊急出版.我々の未来を創るために知らなければならない現実がある.


■ 「日本語版序文」より

 本書は監視に関するものだが,とりわけ,世界中で相互に連携している巨大な機関によって遂行されているグローバルな大量監視について我々が今知っていることについてのものである.……エドワード・スノーデンは,その後に続くべき,真実究明の例を示した.彼はあらゆる危険を冒して,いま起こっていることを人々に知らせた.本書もまた変革をもたらすために我々に何ができるかを示唆している.
日本語版序文
序文
謝辞

序章 CITIZENFOURの警告
重要問題/監視――三つの局面/スノーデン後の監視/ロード・マップ

第1章 スノーデンの嵐
氷山の一角/予測不能で危険/誰がそれが起こると予見していたか/数十年の進展/潮流を追う/9.11後――監視の潮流は変わったか/技術の霧を見通す/見ている者の特定/人的つながり/あいまいな言葉,謎めいた概念

第2章 世界中の監視
インターネットを夢見る/情報は力である/世界中にひろがるNSAの触手/監視とインターネットの未来

第3章 脅威のメタデータ
ビッグデータ,ビッグブラザー?/スノーデンの撞着語法――「万人を標的に」/メタデータ上の干渉/ビッグデータ監視/ビッグデータの能力/ビッグデータの影響/次はどこへ?

第4章 ぐらつくプライバシー
擁護されるプライバシー――背景/プライバシー対監視/プライバシーが重要な理由/内部告発者,ジャーナリスト,その他の標的/民主主義と監視――安全が政治を打ち負かす/プライバシーを超えて?

第5章 将来の再構築
悪い出来事を構築する/別の選択肢はあるのか/ヴィジョンの明確化――民主主義,尊厳/監視と人類の繁栄/結論――言葉から行動へ

訳者あとがき
原注/参考文献/索引
デイヴィッド・ライアン(David Lyon)
カナダ・クィーンズ大学監視研究センター所長.邦訳書に,『監視社会』『膨張する監視社会』(青土社),『9.11以後の監視』(明石書店)など.

田島泰彦(たじま やすひこ)
上智大学文学部新聞学科教授.専門は憲法,メディア法.著書に『人権か表現の自由か』(日本評論社),共編著に『秘密保護法 何が問題か』,共訳に『監視スタディーズ』(以上,岩波書店)など.

大塚一美(おおつか かずみ)
山梨学院大学法学部等非常勤講師.専門は情報法,メディア倫理法制.共著に『レクチャー情報法』(法律文化社),『表現の自由とメディア』(日本評論社)など.

新津久美子(にいつ くみこ)
法学修士(英国エセックス大学大学院),学術修士(東京大学大学院).専門は国際人権法.共著に『拷問等禁止条約をめぐる世界と日本の人権』(明石書店)など.

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2016年7月10日
サンデー毎日 2016年6月12日号
外交 Vol.37(2016年5月)
毎日新聞(朝刊) 2016年4月24日
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