老妻だって介護はつらいよ

葛藤と純情の物語

夫が緊急入院し,大手術を受けた.そして,在宅介護へ.「老老介護」に直面した著者が描く体験記.

老妻だって介護はつらいよ
著者 沖藤 典子
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2015/08/26
ISBN 9784000026000
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 上製 ・ 222頁
定価 1,980円
在庫 在庫あり
夫が緊急入院し,足を切断する大手術を受けることに.夫への複雑な感情に悩まされつつも,入院先の病院に通う日々.そして,在宅介護へと歩み出すのだが…….夫の看護・介護に直面することになった著者は,何を感じ,どんな壁に直面し,何に励まされてきたのか.夫婦の機微にも触れながら,「老老介護」の現実を描き出す体験記.


■編集部からのメッセージ
 夫が緊急入院し,足を切断する大手術を受けることに! ノンフィクション作家として介護問題を長年追いかけてきた著者自身に突然,看護と介護の日々がやってきました.500日もの入院生活のあと,ようやく在宅介護へと踏み出したのですが…….
 毎日,何を感じ,どんな壁に直面し,何に励まされたのか,夫婦間の複雑な感情にも触れながら,「老老介護」の現実を描き出していきます.
 自分の健康を守るだけでも大変なのに,自分を何かと悩ませた夫の世話をしなくてはならない不条理…….それを訴えることもできず,悶々と介護を続ける老妻たち.その声をすこしでも伝えたいという著者の思いが全体ににじむ,迫力の体験記です.
プロローグ 老妻おひとり介護のゴングが鳴って


第1章 ゴリラの異変
喜寿お祝い旅行
古女房の大失態
腰椎すべり症?

第2章 仰天のネット詐欺
4800万円がもらえる!?
定年後の閉じこもり
マインドコントロール
老人性妄想?
地域の医師を信じたい

第3章 本格的治療の開始
老妻,意外に純情
我ら懲りない世代
湧き上がる不安
さっそくステント手術が
衝撃の説明
要介護認定の失敗

第4章 最新医療と家族の絆
病名は五つ
驚きの技,バイパス手術
滅ぼすべき罪は我にあり
娘からの厳しい抗議

第5章 回復への険しい道のり
ついに切断手術
はかばかしくない回復
老妻介護は何が辛いのか
転院準備

第6章 在宅復帰に向かって
鼻腔栄養で体力回復
強調された「覚悟と愛」
再度の要介護認定
退院に向けて準備開始
在宅療養の世紀に向けて

第7章 始まった在宅介護
退院前カンファレンス
わが家をナーシングホームに
回転し始めた在宅療養

第8章 忍び寄ってきた日
ツィゴイネルワイゼン
ベッドから落ちた!
春になったらと,希望を
救急救命室に走った

第9章 半世紀の夫婦の幕が閉じて
死因は急性心不全
結婚以来の思いを
葬儀を終えて

エピローグ 永遠の不在

あとがき
沖藤典子(おきふじ のりこ)
1938年北海道生まれ.北海道大学文学部卒業.ノンフィクション作家.高齢社会をよくする女性の会副理事長.
著書に『女性が職場を去る日』(新潮社),『あすは我が身の介護保険』(同),『介護休業でいい仕事いい介護』(ミネルヴァ書房),『みんなが主役・新介護時代』(同),『沖藤典子の介護元気で日本あっ晴れ』(医歯薬出版),『介護保険は老いを守るか』(岩波新書,第8回生協総研賞特別賞),『女50代,人生本番!』(佼成出版社),『それでもわが家から逝きたい――在宅介護の現場より』(岩波書店)ほか多数.

書評情報

読売新聞(朝刊) 2015年10月11日
高齢社会をよくする女性の会会報 No.244(2015年10月)
福井新聞 2015年8月10日
高知新聞(朝刊) 2015年8月10日
山梨日日新聞 2015年8月9日
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