コミュニティエネルギーの時代へ

いま市民たちによる自然エネルギーのエネルギーシステムの試みが世界や日本の各地で起こっている.

コミュニティエネルギーの時代へ
著者 小澤 祥司
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2003/09/05
ISBN 9784000228350
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 222頁
在庫 品切れ
さようなら,石油や原子力…非効率で巨大なエネルギーシステムではなく,市民たちによる自然エネルギーを活用した自立分散型ネットワークのエネルギーシステムの試みが各地で起こっている.ヨーロッパやアメリカ,日本各地の自然エネルギー先進地の取材を基に,これからの新しい自然エネルギーネットワーク社会を提唱する.

■編集部からのメッセージ

大都市の大停電,原発事故による電力危機,地球温暖化がもたらす異常気象,石油をめぐる戦争・・・・・・いまコミュニティが解決しようとしています.
 非効率で巨大なエネルギーシステムではなく,市民たちによる自然エネルギーを活用した自立分散型ネットワークのエネルギーシステムの試みが各地で起こっています.脱中央管理,脱石油,脱原発,脱温暖化・・・・・・いわば市民による自然エネルギー革命がはじまったのです.ヨーロッパや日本各地の自然エネルギー先進地の取材を基に,これからの新しい自然エネルギーネットワーク社会を提唱してゆきます.

■著者からのメッセージ

本書では現状の巨大なエネルギーシステムではなく,市民のネットワークを軸とした「コミュニティエネルギー」を提案している.
 これからの新しい電力系統は,発電所と顧客が双方向で結びついたものになる.それぞれの顧客が受け手であるだけでなく,送り手にもなれる.顧客は電気を使うだけでなく,電気をつくって送り出す側にもなれるし,時間帯によっては「使わない」ことでも利益を得ることができる.そうした新たな電力システムの姿が,議論され,研究され,実現しつつある.
 こうした電力システムには,一つ一つは小さいがハード・ソフト両面における高度な技術開発とその実用化が要求され,また思いもよらない「すき間」が見つかり,多くのビジネスチャンスが生まれる可能性がある.より簡便なソフトウェアが登場すれば,茶の間のパソコン一台で「電力会社」が経営できてしまうかもしれないのだ.
はじめに

プロローグ:ソーラーシティ・フライブルクの「静かなる熱狂」

第1章 自然エネルギーってなに?
1 なぜ自然エネルギーか?
2 実用化される自然エネルギー技術

第2章 エネルギーのネットワーク
1 欠点だらけの大規模集中型発電
2 分散型エネルギーシステムへ
3 究極の分散型システム:燃料電池
4 ネットワークが変える電力システム

第3章 コミュニティエネルギー先進地を見に行く
1 風力王国:デンマーク
2 風車農場:オランダ
3 地域住民が支える自然エネルギー:ドイツ

第4章 動き始めた日本のコミュニティエネルギー
1 「小澤太陽光発電所」報告
2 太陽光発電のネットワーク
3 日本初の市民風車が立った
4 新たな「里山」づくり
5 自然エネルギー学校

第5章 コミュニティエネルギーへの道
1 流れを妨げるもの
2 戦略なき日本のエネルギー政策
3 何のための自然エネルギー導入か
4 どうすれば自然エネルギーは増やせる?
5 電力自由化というチャンスを生かす
6 自然エネルギーからコミュニティエネルギーへ

エピローグ:エネルギーが変われば日本が変わる

参考文献

あとがき




小澤祥司(おざわ しょうじ)
1956年,静岡県生まれ.出版社勤務を経て,現在(有)アースキッズ代表.環境学習プログラムづくりやソフトウェアの制作のほか,自然エネルギーの普及,生態系の保全や復元,持続可能な地域づくりのための計画立案などに携わる.またインターネットを通じてエコロジーや自然エネルギーに関する情報提供も行っている.
著書:『メダカが消える日:自然の再生をめざして』(岩波書店),『自然エネルギーがわが家にやってくる』(共著,中央法規出版)エコロジカルウェッブ(著者が運営するインターネットサイト):http://www.ecoweb-jp.org/
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