コミュナルなケータイ

モバイルメディア社会を編みかえる

子ども・市民が自律的に関わる「コミュナルな空間」としてのケータイの可能性を探求する.

コミュナルなケータイ
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著者 水越 伸 編著
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2007/03/28
ISBN 9784000228718
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 240頁
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり
いまケータイは第3世代に入って,マルチなモバイルメディアへと変貌している.だが現状はプライベートと商取引の活用のみという歪な姿をしてはいないだろうか.それを超えるため,子ども・市民が自律的に関わることができる「コミュナルな空間」としてのケータイの可能性を,さまざまな実践的なプロジェクトで探求する.

■著者からのメッセージ

コミュナルなケータイ……なんだって? ケータイは個人対個人の,パーソナルなコミュニケーションの道具でしょう.なんでそれがコミュナルなメディアなの? この本をパラパラめくられた読者のみなさんの多くは,そう思われたのではないだろうか.もしそうだとしたら,僕たちは,まずはうれしい.なぜならその疑問は,みなさんにとって日用品となったケータイという存在の,当たり前で曇りのないイメージに微かな亀裂が入ったことを意味しているからだ.ピシリと音を立てて.
 僕たちには,この不思議なタイトルの本で試みたいことが二つある.
 一つは,二一世紀に急速に展開しつつあるモバイル・メディアの動態を,批判的にとらえることだ.
 二つめは,今ここにはないケータイのありよう,今とはちがうモバイル・メディア社会のビジョンをデザインし,指し示すということ.
 それを象徴的に言い表したのが「コミュナルなケータイ」だ.
(本文より

■編集部からのメッセージ

いまケータイは多機能でマルチなモバイル・メディアへと変貌している.だが現実は,プライベートと商取引の活用のみという歪な姿をしてはいないか.
 それを超え,市民のメディア表現,学び等の領域で子ども・市民が自律的に関わることができる「コミュナルな空間」を作り出すため,著者たちはケータイを使ったさまざまな実践的なプロジェクトを展開してきた.
 そうしたプロジェクトを通して,多面的に新たな可能性を探求する本書は,われわれの持っているケータイ像をひっくり返すだろう.
【編集部 岩永泰造】
はじめに

第1章 モバイル・メディア研究の新たな視座
1 精緻で閉鎖的な日本のケータイ[茂木健一郎×水越 伸]
2 ケータイの風景と問題状況[水越 伸]
3 MoDeと批判的メディア実践[水越 伸]

第2章 ケータイを異化する
1 ケータイを異化するために[鄭朱泳×水越 伸]
2 ケータイの風景を演じる[伊藤昌亮]
3 ケータイの自明性を再考する[飯田 豊]

第3章 ケータイを超える
1 ケータイを超えるために[ソフィア・ウー×水越 伸]
2 世にもまれな地図づくり[林田真心子]
3 掌の中で起こったモードの融合[古川柳子]

第4章 ケータイを編みかえる
1 ケータイを編みかえるために[アスケ・ダム×水越 伸]
2 カンブリアン・ゲーム[安斎利洋]
3 ケータイ民芸論[鳥海希世子]

コラム 校庭一面のスケジュール帳[中村理恵子]

終章 MoDe――実践の軌跡[水越 伸・伊藤昌亮]

おわりに
水越 伸(みずこし しん)
1963年生.東京大学大学院情報学環教授.筑波大学比較文化学類卒業,東京大学大学院社会学研究科博士課程中退.メディアをめぐる実践と思想を総合した「批判的メディア実践」を方法とするソシオ・メディア論に取り組む.著書に『新版デジタル・メディア社会』(岩波書店)『メディアの生成――アメリカ・ラジオの動態史』(同文舘出版)『メディア・ビオトープ――メディアの生態系をデザインする』(紀伊國屋書店)『メディアとしての電話』(共著:弘文堂)『メディア・プラクティス――媒体を創って世界を変える 』(共編著:せりか書房)など.

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2007年5月27日
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