日韓 歴史問題をどう解くか

次の100年のために

「韓国併合」100年を迎え,日韓の知識人1000人が共同声明を発表.3年を経て,その精神を再確認する.

日韓 歴史問題をどう解くか
著者 和田 春樹 , 内海 愛子 , 金 泳鎬 , 李 泰鎮
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2013/12/20
ISBN 9784000243001
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 上製 ・ 298頁
定価 3,190円
在庫 在庫僅少
2010年,「韓国併合」から100年を迎え,日韓の知識人1000人による宣言として共同声明が発表された.併合条約が不義不当であったこと,そして,歴史に由来する多くの問題が,共通の歴史認識と共同の努力により解決されていくべきことが述べられた.それから3年,日韓関係改善の突破口として,声明の意図を確認し,新しい日韓関係を模索する.

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2010年,“韓国併合”100年の年に発表された日韓知識人共同声明の精神を,いかに根付かせ,発展させるのか

■編集部からのメッセージ

2013年,日韓両国の新政権発足後1年も日韓首脳会談が行われなかったことに象徴されるように,日韓関係は良くない状況が続きました.さらに年末の安倍首相の靖国神社参拝により,さらなる悪化が懸念されます.
ここ10年,日韓の文化交流は盛んになったと言えると思います.一時期の「韓流」ブームは去りましたが,たとえば日本で韓国語を学ぶ人,特に入門レベルを終えて学習を継続する人の数はそれほど減っていないと聞きます.
歴史認識問題を乗り越え,新たな日韓関係が構築できるよう,韓国で「知識産業社」により刊行されるのと同時の発売です.双方一流の執筆陣が揃いました.
まえがき

はじめに(1)
 「韓国併合」100年日韓知識人共同声明の今日的な意義  和田春樹
はじめに(2)
 韓日知識人共同声明と東アジア時代  金 泳 鎬

第1部 ドキュメント「日韓知識人共同声明」
「韓国併合」100年日韓知識人共同声明
韓国の新聞はどう報じたか
菅直人内閣総理大臣談話
国会での菅談話についての質問と答弁

第2部 韓国併合条約はなぜ無効か
虚構の極みとしての「韓国併合条約」  中塚明
「韓国併合条約」に関して両国皇帝詔勅がもつ批准効果について  李 泰 鎮
「韓国併合条約」の無効性と「併合詔勅」  糟谷憲一
日韓条約――null and void――をめぐる対立を克服するために  太田修
「1910年日韓条約」という課題  金 昌 禄

第3部 「和解」のために解決されるべき問題
戦後補償――緊張する日韓関係の中で  内海愛子
「日本軍従軍慰安婦」問題の過去と現在  李 元 徳
被爆韓国・朝鮮人問題の地平  小田川興
文化財の返還について  荒井信一
日韓関係に見る「在日」処遇の点描  田中宏
朝鮮人BC 級戦犯運動の現在  岡田泰平
韓・日「共同の家」と地球村文明創造への道  金 鎮 炫

 編者のことば
 日韓知識人共同声明署名者
〈巻末付録〉 河野内閣官房長官談話
〈巻末付録〉 村山内閣総理大臣談話

和田 春樹(わだ はるき)
1938年生まれ.東京大学名誉教授.
内海 愛子(うつみ あいこ)
1941年生まれ,大学経済法科大学アジア太平洋研究センター特任教授.
金 泳 鎬(キムヨンホ)
1940年生まれ.檀国大学碩座教授.
李 泰 鎮(イテジン)
1943年生まれ.ソウル大学名誉教授.

書評情報

歴史地理教育 2014年6月号
しんぶん赤旗 2014年3月23日
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