定年後

最新情報版 「もうひとつの人生」への案内

ベストセラー『定年後』の内,雇用保険,年金,再就職などの情報・資料を3年ぶりに全面改訂した新版.

定年後
著者 岩波書店編集部
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2001/12/17
ISBN 9784000098885
Cコード 0036
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 500頁
在庫 品切れ
“定年本”ブームに火をつけたベストセラー『定年後』の内,「知っておきたい手続き・仕組み」を全面改訂.雇用保険,介護保険,年金,再就職,各種相談機関など,退職前後に直面する制度とその利用のための情報・資料を旧版刊行後3年の大きな変化に即して刷新し,好評の手記・論稿と併せて,21世紀を前向きに生きる高齢者を応援します.

■「まえがき」より

本書は,1999年1月に刊行されて反響をよんだ岩波書店編集部編『定年後――「もうひとつの人生」への案内』のうち「III 知っておきたい手続き・仕組み」を全面的に改訂したものです.
 同書が広く読まれた背景には,中高年者の間での,「定年後」の生き方への関心の高まり,そしていうまでもなく日本社会の急速な高齢化という現実があるでしょう.日本人のいわゆる平均寿命は,男性77.64歳,女性84.62歳(2001年8月,厚生労働省発表)に達しています.この「人生80年」時代に,かねてから“企業中心社会”といわれてきたこの国で〈定年退職後の長い年月をどう過ごすか〉が切実な問題として浮上しているのは,当然のことといえるでしょう.
 「会社人間」としての拘束や特権から突然離脱し,生活のリズムも日々の目標も否応なく激変したあと,自らにふさわしい,充実した「第2の人生」をどう選びとるか――この問いに多くの人びとが向きあい,それぞれに模索を続けています.「定年」は,いまやゴールとしてだけではなく,豊かな可能性をはらんだ「もうひとつの人生」のスタートラインとして受けとめられつつあるのです.
 そこで,このような関心に応えて,有益な助言・情報や具体的な事例を十分に盛り込んだ1冊を,と同書は企画されました.
 まず「I 定年後への視点」で,この問題に深い関心を抱く各界の方々に,それぞれの立場から論考・エッセイを寄せていただきました.学者・作家・ジャーナリストなど,立脚点を異にする19人の幅広い筆者の分析や提言は,示唆に満ちた内容となっています.
 続く「II 私の定年後〈公募手記〉」は,1998年3~5月,新聞広告等で募った手記――応募総数は国外からのものも含めて620篇――の中から編集部による慎重な選考の結果選ばれた25篇です.(各稿冒頭の下欄に示した年齢などは応募時のもの.)
 ここに収められたユニークな実例の数々は,「どのような定年後を?」と模索している人びとに,いわば生き方の豊富な「メニュー」を提供するだけでなく,すでに「定年後」を生きる人びとにも刺激と励ましを与えることでしょう.
 最後の「III 知っておきたい手続き・仕組み」は,巻末から横組みで収められています.ここでは,定年退職に際して,またそれ以後に否応なく直面する雇用保険や再就職相談など,分かりにくい制度や手続きを,専門家がていねいに説明しています.「索引」も付してありますので,不安や疑問を解消する情報としてご活用下さい.
 このIII部は,前述のように,旧版刊行後の法令改正をはじめとするさまざまな変化をふまえて,大幅な改訂を施してあります.
 これまで,ともすれば「濡れ落ち葉」「粗大ゴミ」などの決まり文句とともに語られ,あるいは「余生」「老後」などの消極的な言葉で言い表わされてきた〈定年後の人生〉――このかけがえのないライフ・ステージに対する一人ひとりの,また社会全体の見方・考え方が大きく変わっていく上で,本書が,旧版にも増してその役割を果たせることを願っています.
 岩波書店編集部

書評情報

定年時代 2002年2月号
週刊ダイヤモンド 2001年12月8日号
ページトップへ戻る