ハンドブック 市民の道具箱

ハンドブック 市民の道具箱
著者 目加田 説子
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2002/11/28
ISBN 9784000233729
Cコード 0036
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 240頁
在庫 品切れ
これは,おかしい.困った.なぜだろう-日常生活で抱くそうした問題を解決するために社会的な「道具」を活用しよう.行政,法律,医療,そのほか様々な生活の場面で知っておきたいことを現場体験のある48人の執筆者が,わかりやすく語る.関連した連絡先などの情報も充実.

■編者からのメッセージ

目加田説子
 この国は,「どうせ何も変わらない」という「あきらめ症候群」に包まれてはいないだろうか.
 「何をやっても無駄」「一人でがんばってもむなしいだけ」.そんな声を耳にするたびに,私たちの中には無力感が蔓延していて,自分を取り巻く状況や社会の問題から目を逸らす傾向が強まっているのではないか,と感じずにはいられない.
 でも,「あきらめ症候群」を退治しないと,やがて無力感に無関心や閉塞感が覆い被さり,私たちはどんどん殻に閉じこもってしまいかねない.私たちのためにも,次の世代のためにも,何とかして「あきらめ症候群」を追い払わなくてはならない.そんな思いをこめて,『ハンドブック 市民の道具箱』の編集を進めてきた.
 この本の願いは,一人でも多く,簡単にあきらめない人が増えていくことである.そこで,役所の窓口での話し方から,生活に直結した問題に関する法律・条令の上手な活用法,暮らしを改善するためのNPOの作り方や運営のノウハウ,少子高齢化時代に欠かせない介護制度の利用法など,さまざまな分野で行動する際に役立つ情報や解説を盛り込んだ.
 そのひとつひとつは,暮らしや社会を変えていくために,誰もが手にして,使える「道具」である.たとえば介護保険という「道具」は,利用者が自分にあった形で使いこなしてこそ,より快適な老後を過ごすことができる.環境を壊すような公共事業を止めたい場合には,住民投票や首長らの解職請求(リコール)などを定めた地方自治体の条例が大切な「道具」となることだろう.
 「道具」という言葉には,カナズチやノコギリのように,使う人が必要に応じて繰り返し使える,という意味を託している.自らが手にとって使いこなしていくうちに,「道具」も磨かれ,新たな「道具」を開発する知恵が育まれるとの期待も込めている.多くの方が,この本でとりあげたような「道具」を活用して無力感を振り払い,自ら考え,行動する人へと,一歩でも踏み出していただければ,と願っている.
目加田 説子(めかた もとこ)
上智大学卒業後,ジョージタウン大学修士課程,コロンビア大学修士課程を経て大阪大学国際公共政策研究科博士課程修了(国際公共政策博士).テレビ局,財団に勤務後,2001年より経済産業研究所研究員.2002年に東京大学客員助教授.
1997年より地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)運営委員を務める.
著書に『地雷なき地球へ――夢を現実にした人びと』(岩波書店),『NPOデータブック』(分担執筆,有斐閣),The Third Force: The Rise of Transnational Civil Society, (共著,Carnegie Endowment for International Peace)などがある.

書評情報

河北新報(朝刊) 2003年2月28日
経済セミナー 2003年2月号
ガバナンス 2003年2月号
朝日新聞(朝刊) 2003年1月14日
朝日新聞(朝刊) 2003年1月5日
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