青年と雑誌の黄金時代

若者はなぜそれを読んでいたのか

雑誌が出版文化の花形であった時代と,それを支えた若者たち.全盛期を代表する一〇誌から実像を探る.

青年と雑誌の黄金時代
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著者 佐藤 卓己
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2015/11/26
ISBN 9784000610803
Cコード 0036
体裁 A5 ・ 並製 ・ 352頁
定価 本体3,400円+税
在庫 在庫あり
出版文化の花形であった雑誌.その多くを読者として支えていたのは,いつも若者たちだった.彼らは雑誌に何を託し,そこに何を見ていたのか.また雑誌は彼らに何を与え,何をめざそうとしていたのか.『螢雪時代』に『人生手帖』,『現代思想』から『ロッキング・オン』『ロードショー』に『non-no』『ぴあ』――全盛期を代表する一〇誌をとおして,時代と青年たちの実像をメディア研究のトップランナーたちが浮き彫りにする.

■編集部からのメッセージ

最近,みなさんは雑誌を読みましたか?

 “出版不況”とか“雑誌離れ”ということばを聞くようになってずいぶん久しくなりますが,かつて雑誌は出版文化の花形でした.雑誌はじつに多くの若者を夢中にさせ,それが時代を牽引するパルスにもなっていたのです.若者は雑誌になにを託し,その先になにを見ていたのでしょうか.この本は1970年代以降,とくに「青年雑誌」とよばれるジャンルの雑誌がどのように変容していったかを考察するものです.

 本書で扱われているのは『螢雪時代』や『現代思想』,『non-no』から『ぴあ』,『ロッキング・オン』まで,時代を代表する十数誌.雑誌そのものの分析にとどまらず,ニューメディアとの関係や読者像の変化などにも目配りしながら問題を多角的に検討することで,雑誌というメディアの限界や希望,あのころの「若者の姿」までもが鮮やかに浮かび上がることになります.

 佐藤卓己氏ほか,メディア研究のトップランナー10人があの黄金時代と青年たちの実像とを描き出す,読み応え十分な論集です.
佐藤卓己(さとう たくみ)
1960年生.京都大学大学院教育学研究科教授.著書に『『キング』の時代―国民大衆雑誌の公共性』(岩波書店),『言論統制――情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』(中公新書),『『図書』のメディア史――「教養主義」の広報戦略』(岩波書店)等.
福間良明(ふくま よしあき)
1969年生.立命館大学産業社会学部教授.著書に『「戦争体験」の戦後史――世代・教養・イデオロギー』(中公新書),『二・二六事件の幻影――戦後大衆文化とファシズムへの欲望』(筑摩書房),『「戦跡」の戦後史 せめぎあう遺構とモニュメント』(岩波現代全書)等.
佐々木基裕(ささき もとひろ)
1987年生.京都大学大学院教育学研究科大学院博士後期課程在学中.論文に「日本の教育哲学界におけるポストモダニズム受容――『教育哲学研究』を事例に」(京都大学大学院教育学研究科教育社会学講座編『教育・社会・文化』第15号)等.
石田あゆう(いしだ あゆう)
1973年生.桃山学院大学社会学部社会学科准教授.著書に『戦時婦人雑誌の広告メディア論』(青弓社),『ミッチー・ブーム』(文春新書),『日本主義的教養の時代』(共著,柏書房)等.
島岡 哉(しまおか はじめ)
1974年生.仁愛大学人間学部コミュニケーション学科准教授.著書に『ポピュラーTV』(共著,風塵社),『夜食の文化誌』(共著,青弓社)等.
赤上裕幸(あかがみ ひろゆき)
1982年生.防衛大学校公共政策学科准教授.著書に『ポスト活字の考古学――「活映」のメディア史1911-1958』(柏書房),『電波・電影・電視――現代東アジアの連鎖するメディア』(共著,青弓社),『岩波講座 現代 第5巻 歴史のゆらぎと再編』(共著,岩波書店)等.
長﨑励朗(ながさき れお)
1983年生.京都文教大学総合社会学部講師.著書に『「つながり」の戦後文化誌――労音,そして宝塚,万博』(河出書房新社),『日本の論壇雑誌――教養メディアの盛衰』(共著,創元社),論文に「戦後音楽運動における教養主義の変容」(日本マス・コミュニケーション学会編『マス・コミュニケーション研究』第77号)等.
白戸健一郎(しらと けんいちろう)
1981年生.筑波大学人文社会系助教.著書に『ソフト・パワーのメディア文化政策』(共著,新曜社),『増補改訂 戦争・ラジオ・記憶』(共著,勉誠出版),論文に「満洲電信電話株式会社の多言語放送政策」(日本マス・コミュニケーション学会編『マス・コミュニケーション研究』第82号).
松永智子(まつなが ともこ)
1985年生.東京経済大学コミュニケーション学部専任講師.著書に『日本の論壇雑誌――教養メディアの盛衰』(共著,創元社),『「知覧」の誕生』(共著,柏書房),論文に「英字紙読者の声――ジャパン・タイムスと浅間丸事件(1940年)」(日本マス・コミュニケーション学会編『マス・コミュニケーション研究』第81号)等.
河崎吉紀(かわさき よしのり)
1974年生.同志社大学社会学部准教授.著訳書に『制度化される新聞記者――その学歴・採用・資格』(柏書房),『ヒトラーの呪縛――日本ナチカル研究序説』(共著,中公文庫),ウォルター・リップマン『幻の公衆』(翻訳,柏書房)等.

書評情報

週刊読書人 2015年12月18日号
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