福島原発事故 タイムライン2011-2012

史上最悪の原発事故.公表資料を参照し,刻々と悪化する原発事故の全体像を初めて明らかにしたデータベース.

福島原発事故 タイムライン2011-2012
著者 福島原発事故記録チーム , 宮﨑 知己 , 木村 英昭 , 小林 剛
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2013/09/27
ISBN 9784000246859
Cコード 0036
体裁 B5 ・ 並製 ・ 342頁
在庫 品切れ
3月11日の大震災から決定的破局にいたるまで,あの瞬間にどこで何が起きていたのか?その時,官邸や東電,住民は何をしていたのか?事故報告書や報道,テレビ会議記録…….公表資料を重ね合わせ,刻々と悪化する原発事故の全体像を初めて浮かび上がらせる.史上最悪の原発事故を考えるための基礎的データベース.全5000項目以上.

■著者からのメッセージ

 忘却に抗う武器を手に入れた.それが本書の最大の意義だ.福島原発事故では異変を知らせる号機は変転し,様々な事態が様々な場所を舞台にして刻々と輻輳した.一見無関係に思えた複数の出来事が,時間を軸にして整理されると,互いの関連性がより明らかになることもあった.本書では,原発事故の時に福島の住民をはじめとした私たち市民がどのような状況下に陥っていたのかを公表資料から立体的に浮き彫りにした.「自分の時間」を重ね併せると,自分だけの時系列表ができるだろう.辛いことではあるが,読むことで事故当時の状況を追体験できるはずだ.「その時」の意味を本書で初めて気づく読者も少なくないと思う.私たちは本書を単なる資料集として作ってはいない.ルポルタージュとして仕上げたと言っていい.時間軸に沿って読み進めれば,乾いた事実の羅列の中に人々の喜怒哀楽が見えてきはしないだろうか.本書は「読める時系列表」である.なお,本書未収録事項と同時発売の『福島原発事故 東電テレビ会議49時間の記録』に加え,写真・映像を収録するアプリ『原発事故データベース』も制作中である.ご期待ください.
木村英昭


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『福島原発事故 タイムライン2011-2012』
福島原発事故記録チーム 編
宮﨑知己,木村英昭,小林 剛

■編集部からのメッセージ

 国会,政府,東電の事故報告書,報道,書籍,雑誌,政府関連資料をもとに出来事をまとめ,2011年3月11日の東日本大震災から2012年12月31日まで,原発関連の立項した事項は3万件以上に上りました.そのうち厳選した7000事項を本書に収録しています.3・11から当初の1カ月間は,分単位で出来事を表記.原発関連以外の震災に関する事項も収めています.本書と同時刊行の『福島原発事故 東電テレビ会議49時間の記録』からも約500件の緊迫した東電幹部たちの発言も分刻みで加えました.放射能汚染水,避難住民への補償,原発再稼働問題など福島原発事故とその影響を,これからも見つめるための基礎資料です.
渡辺勝之
はじめに
凡例
2011年3月11日
2011年4月13日
2012年
原発関連年表
参考文献
あとがき
宮﨑知己(みやざき ともみ)
1964年大阪府布施市(現東大阪市)生まれ.バブル期の1988年,神戸大学を卒業し住友銀行に入行.1990年に朝日新聞社に転職し,水戸,青森支局で原発・核燃料サイクル問題を取材.その後,経済部でトヨタ自動車や新日本製鉄,金融庁を担当.2006年に特別報道チーム記者として電機・精密産業の偽装請負問題に取り組み,翌年,一連の報道で石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を共同で受賞した.その際,偽装請負に苦しむ若者世代を「ロストジェネレーション」と呼ぼうと提起.この言葉は「ロスジェネ」として流行語になる.2011年からは朝日新聞の福島原発事故問題の連載企画「プロメテウスの罠」のデスク兼ライターを務め,2012年に同連載で新聞協会賞と石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞.さらに2013年に「東京電力テレビ会議記録の公開キャンペーン報道」で同早稲田ジャーナリズム奨励賞を受賞.現在,朝日新聞デジタル委員.
木村英昭(きむら ひであき)
1968年鳥取県生まれ.ジャーナリスト.朝日新聞で記者をしている.同紙記者として,2006年から4年間,福島県の郡山支局に勤務.現在,東京本社経済部に所属.著書に『検証 福島原発事故官邸の一〇〇時間』(2012年,岩波書店),『ヤマは消えても三池CO中毒患者の記録』(1997年,葦書房),共著に『国立公園は誰のものかルポ新尾瀬を歩く』(2010年,彩流社)など,共編著に『三井三池炭鉱炭じん爆発事件史料集成第Ⅰ期・第Ⅱ期』(2005年・2007年,柏書房).朝日新聞の「プロメテウスの罠」取材班の一員として2012年度の新聞協会賞と石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞.さらに2013年に「東京電力テレビ会議記録の公開キャンペーン報道」で同早稲田ジャーナリズム奨励賞を受賞.法政大学大原社会問題研究所嘱託研究員,早稲田大学ジャーナリズム教育研究所招聘研究員.
小林 剛(こばやし ごう)
1987年神奈川県生まれ.システムエンジニア.早稲田大学大学院先進理工学研究科修了.機械学習を専攻.主な研究論文に「Stick-BreakingHMMを用いたスポーツ動画像データに対する活況度・優勢度算出アルゴリズムの構築」.院生時代に『検証 福島原発事故官邸の一〇〇時間』(岩波書店)の巻末時系列表の作成に協力.
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