ヘイトスピーチとたたかう!

日本版排外主義批判

ヘイトスピーチ(差別扇動)とは,ヘイトクライムとは一体何なのか.不正義に立ち向かった著者が答える!

ヘイトスピーチとたたかう!
著者 有田 芳生
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2013/09/27
ISBN 9784000247160
Cコード 0036
体裁 B6 ・ 並製 ・ カバー ・ 174頁
在庫 品切れ
「殺せ!」「出て行け!」といった在日韓国・朝鮮人らへのヘイトスピーチ(差別扇動),差別をあおりたてる排外主義的なデモ.日本でいま何が起こっているのか.そこに集うのは誰なのか.規制は可能なのか――不正義とたたかうため立ち向かった著者が,その問いに答える! 安田浩一・師岡康子との対談も収録.

■著者からのメッセージ

「殺せ」などと叫ぶ差別主義者たちの異様なデモが東京・新大久保や大阪・鶴橋などで繰り返されています.それに反対する人たちが沿道で掲げた横断幕を見て,「韓流好き」の女性たちが口に出してこう言うのを何度も聞きました.「ヘイトスピーチってなに?」.最近では新聞各紙だけでなく,NHK「おはよう日本」までが特集で報じました.タイトルは「ヘイトスピーチ」です.多くの視聴者は「なんのことだろう」と戸惑ったことでしょう.
 アメリカで80年代から使われるようになったこの言葉は,日本では「憎悪表現」と訳されてきました.しかし「ヘイト」(憎悪)の本質は差別です.戦後68年.「非国民」「売国奴」などという言葉が平然とまかり通るようになったこの国は,歴史の転換点を右方向に数歩歩んでいるのかもしれません.海外からはすでにそう見られています.何が起きているのか,どうすればいいのか.国会とデモの現場から考えたのが本書です.
はじめに

第1章 新大久保・鶴橋から世界に広がる「日本の恥」
ヘイトスピーチの実態/きっかけ/知らなかった現実/新しい「右翼」?/在特会の成り立ち/在特会はどのような人たちか/在特会の主張する「在日特権」とは/これまでに在特会が起こした事件

第2章 カウンター勢力の台頭から,デモ中止へ
カウンター勢力の台頭/「しばき隊」と「プラカ隊」/多様化するカウンターアクション/新しい運動のかたち/最初の院内集会/広がるメディア報道/現場でしか分からないこと/デモの中止をもとめて/二回目の院内集会/私への攻撃も始まった/逮捕者と,コース変更と,デモ中止

第3章 表現の自由と法規制
人種差別撤廃条約の意義/「日本に人種差別はない」?/国会での質疑と日本政府の問題点/答弁から見えてくる「人権意識の乏しさ」/法的にできることはないのか/「人種差別」規制は「表現の自由」を妨げるのか/マスコミの論調が変わった/各国の人種差別禁止法/私が「法規制は必要だ」と考える理由

座談会 差別へのカウンター
はじめに/蔓延する「被害者意識」/在特会の前史/「過激化」の背景/メディア・政治の責任/カウンターについて/「どっちもどっち」論をこえて/差別の現実を直視せよ/差別禁止法が必要/表現の自由との関係/差別禁止は国の責任である/おわりに

これまでの経緯
あとがき
有田芳生(ありた よしふ)
1952年,京都府生まれ.ジャーナリスト,参議院議員.出版社勤務を経て,フリーのジャーナリストとして活躍.2007年まで日本テレビ系の『ザ・ワイド』に出演.2010年に民主党から立候補し参議院議員となる.2013年3月には「排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会」を呼びかけ,ヘイトスピーチの問題に積極的に取り組む.著書に『私の家は山の向こう テレサ・テン十年目の真実』(文藝春秋),『「コメント力」を鍛える』(NHK生活人新書),『闘争記』(教育史料出版会)など.

書評情報

読売新聞(夕刊) 2013年11月25日
日刊ゲンダイ 2013年10月18日
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