岡本太郎の見た日本

近年再評価が起こりつつある岡本太郎.その活動のうち「縄文の発見」に始まる民族学的側面を読み解く.

岡本太郎の見た日本
著者 赤坂 憲雄
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2007/06/26
ISBN 9784000223911
Cコード 0039
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 382頁
在庫 品切れ
近年改めて再評価が巻き起こりつつある岡本太郎.その芸術家の枠に収まりきらない多様な活動のうち,民族学的側面にわたる仕事,すなわち有名な「縄文土器の発見」から展開された独自の日本文化再発見の道行きを,気鋭の民俗学者が読み解く.太郎が類まれな感性で見出していた「ほんとうの日本」とは? 画期的な岡本太郎論!

■著者からのメッセージ

赤坂憲雄

この本は岡本敏子さんとの出会いから生まれた.気が付くと,風のように現われて,岡本太郎という人がどれほど凄い人であったか,カッコよかったか,色気があったか……,嬉しそうに,誰にともなく語っては,姿を消した.そんな敏子さんに洗脳されたのかもしれない.まるで関心はなかった.わたしにとって,大方の人にとってそうであるように,岡本太郎は「芸術は爆発だ!」と叫んでいる奇妙な老人であり,わけのわからぬ太陽の塔を造ったゼンエイ芸術家にすぎなかった.その太郎の東北文化論や沖縄紀行へと,わたしを誘導したのが敏子さんだった.凄腕の編集者として,わたしにそれらの忘れられた書物を再発見させようとしたのではなかったか.その企みは成功した.わたしはいつしか,太郎にはまり,憑かれたように,この『岡本太郎の見た日本』を書かされてしまった.かぎりなく深い発見の歓びがある.太郎が半世紀も前に語ったことが,いま,この時代にこそリアルな問いとして甦る.太郎はこれから,さらに新しくなる.ほんとうの太郎がむきだしになる.時代がようやく太郎に追いついたのかもしれない.
はじめに 岡本太郎とはだれか

第1章 前史/パリのおもかげ

第2章 身をやつした民族学者

第3章 獣の匂い,または東北的な

第4章 沖縄,ひとつの恋のように

第5章 臍の緒として,韓国へ

第6章 世界とはなにか


おわりに ふたつの対話から
あとがき
参考文献
赤坂憲雄(あかさか のりお)
1953年東京都に生まれる.東京大学文学部卒業.東北芸術工科大学大学院長,同東北文化研究センター所長.専門は日本思想史・東北文化論.
著書に『東西/南北考』(岩波新書),『異人論序説』『排除の現象学』(ちくま学芸文庫),『境界の発生』『子守り唄の誕生』(講談社学術文庫),『山の精神史』『漂泊の精神史』『海の精神史』(小学館),『東北学へ』1~3(作品社)など多数.編著に『いくつもの日本』全7巻(岩波書店)など.

書評情報

読売新聞(朝刊) 2013年11月28日
朝日新聞(夕刊) 2013年8月5日
静岡新聞(朝刊) 2011年11月13日
信濃毎日新聞(朝刊) 2008年4月13日
毎日新聞(朝刊) 2007年12月9日
金澤 2007年11月号
朝日新聞(朝刊) 2007年10月30日
毎日新聞(朝刊) 2007年10月25日
日本経済新聞(朝刊) 2007年9月23日
書道界 2007年9月号
都市問題 第98巻第10号(2007年9月)
新潟日報(朝刊) 2007年8月26日
読売新聞(朝刊) 2007年8月19日

受賞情報

第17回Bunkamuraドゥ マゴ文学賞
2007年度(第58回)芸術選奨文部科学大臣賞

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