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理科読をはじめよう

子どものふしぎ心を育てる12のカギ

科学の本の楽しさ,大切さを知り尽くした12人が理科読実践例を大公開.朝読や読み聞かせのヒント満載.

理科読をはじめよう
著者 滝川 洋二
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 科学全般
刊行日 2010/03/19
ISBN 9784000061490
Cコード 0040
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 190頁
在庫 品切れ
子どもの「なぜ」を大切にする科学の本は,探究心を育み世界を広げる手伝いをします.小中高校の教室や図書館,地域の文庫や幼稚園・保育園で,子どもと一緒に科学の本に親しむ12人が,その楽しさや大切さを語り,実践例と経験談を披露します.朝読に,読み聞かせに,どんな本をどのように読んだらよいかに悩む人,必読.


■編者からのメッセージ
 理科読(りかどく)とは「科学の本を読もう」ということで,科学の本を読むことをすすめる活動を理科読運動といいます.朝読に理科読を,読み聞かせに理科読を,という発想の新しい言葉です.
 すでに全国には理科読運動を行っている人たちが大勢います.この本にはその活動の数々が,具体的に紹介されています.この本からは,科学の本をどのようにして読んだらよいか,どのようにしてすすめたらよいか,さまざまなヒントを得ることができるでしょう.どうしたら理科読運動をすすめる人たちに出合えるかもわかります.
 ぜひ,ご家庭で,学校で,地域で,この本を,理科読や理科読運動をはじめる参考にしてください.


■編集部からのメッセージ
 朝読や読み聞かせ,ブックトークがさかんです.最近では「家読うちどく」運動もはじまりました.本書は「科学の本を読もう」「本を通して科学に親しもう」という新しい運動,「理科読」のすすめです.科学の本には,魅力的なものがたくさんあるのです.
 「科学の本を読む文化を育てよう」という呼び声のもと行われた「科学読み物シンポジウム」をきっかけに企画しました.よい科学の本を子どもや一般市民にすすめ,科学の本を読む文化を定着させようと,2008年から2009年にかけて3回行われています.本のつくり手である著者や編集者の試み,伝え手である科学読物研究会,学校図書館などの取組みが紹介されました.特筆すべきは,小学校や中学・高校,地域の文庫などの具体的な実践報告が豊富にあったことです.どのようにして子どもに科学の本をすすめているかがよくわかり,その工夫のさまざまは,ちょっと感動的でした.これらをぜひ,多くのみなさんに知らせたいと,本書を企画したのです.
  編集は,テレビでもおなじみNPO法人ガリレオ工房理事長の滝川洋二氏です.科学読み物シンポジウムの企画者で,東京大学教養学部附属教養教育開発機構の特任教授でもあります.執筆者は,子どものふしぎ発見のつぶやきを収集して本にしてきた元福音館書店「かがくのとも」編集長,多くの科学の本を手がけてきた前国立天文台長,『日経キッズプラス』に「カワモトママの本は心のビタミン」を連載してきた川本裕子早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授をはじめ,立教女学院中学校・高等学校教頭,私立中学・高校学校司書の経験者,科学読物研究会のメンバーなどの12人.それぞれが,語りかけるように,子どもに科学の本をすすめる実践例と熱い思いをつづっています.
 どの本をどのようにして子どもたちにすすめたのか,あるいは,どのようにして子どもたちと一緒に本を読んでいるかの成功例が,具体的な書名とともに豊富に紹介されています.これは,本選びに悩む方には大いに参考になります.
 朝読に理科読,読み聞かせに理科読――ぜひ本書を,ご家庭で,学校で,地域で,読書に役立ててください.(N.S.)
はじめに

第1部 子どものふしぎ心に寄り添って
1. はじめてであう科学の本
 森 達夫(元福音館書店「かがくのとも」編集長)
2. 自然の広がりを伝える――科学者として考えること
 海部宣男(放送大学教授,前国立天文台長)
3. 一冊の本から科学の世界を広げていこう――「よもあそ」から
 吉田のりまき(科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」代表)
4. 科学あそびでむすぶ科学の本と実体験
 坂口美佳子(科学読物研究会)

第2部 科学の本を読む文化を
5. 中学・高校生にこそ科学読み物を――理科の授業に取り入れる pdf
 山岸悦子(立教女学院中学・高等学校)
6. 物語絵本や児童文学を楽しむように
 辛島 泉(大分・児童文学と科学読物の会代表)
7. 科学する心――社会的基盤としての読書 pdf
 川本裕子(早稲田大学大学院教授)
8. 本好きな子どもを育てよう――もっと科学の本を
 滝川洋二(東京大学教養学部附属教養教育開発機構特任教授)

第3部 学校や地域で科学読み物を活かす
9. 子どもと本をつなぐ場所――学校図書館 pdf
 土井美香子(元私立中学・高等学校司書)
10. 小学生と科学の読み物
 小澤恭子(日本子どもの本研究会会員,元公立小学校教諭)
11. 文庫活動と科学絵本
 福田晴代(山の木文庫,科学読物研究会)
12. 子どもの科学の本を集団で評価し書評をつくる――教師と編集者たちの試み
 田中久雄(ファラデーの本棚,元理科教科書編集者)

 おわりに

【コラム】
 星空ブックフェアの取り組み /なぜ売れないの? 科学の本/不確実性の理解/科学の本は,まっている
滝川洋二(たきかわ ようじ)
1949年岡山県生まれ.東京大学教養学部特任教授.埼玉大学理工学部卒業,東京学芸大学大学院修士課程修了,国際基督教大学大学院博士課程修了.教育学博士.国際基督教大学高等学校教諭を経て,2006年より現職.NPO法人ガリレオ工房理事長,NPO法人理科カリキュラムを考える会理事長.専門は科学教育,物理教育.
著書は『どうすれば「理科」を救えるのか――イギリス父子留学で気がついたこと』(亜紀書房),共編著書は『ガリレオ工房の身近な道具で大実験』(第1~4集,大月書店),『ガリレオ工房の科学あそび』(Part1~3,実教出版),『発展コラム式中学理科の教科書』(第1分野,第2分野,講談社ブルーバックス)など多数.
TVドラマ「ガリレオ」実験監修,映画「容疑者Xの献身」実験監修などもつとめる.

書評情報

読売新聞(朝刊) 2013年3月7日
毎日新聞(朝刊)〔大阪〕 2012年8月16日
zigzag time 2010年12月号
理科教室 2010年8月号
子どもの本棚 2010年8月号
JOSEI OITA 2010年6月号
図書館教育ニュース 2010年5月28日号〔付録〕
プレジデント 2010年5月17日号
朝日新聞(夕刊) 2010年4月22日
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