おいしい数学

証明の味はパイの味

お菓子作りも数学もできるようになりたい.どちらもコツは試行錯誤を楽しむこと.まずはやってみよう.

おいしい数学
著者 ジム・ヘンリー , 水原 文
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 数学
刊行日 2016/04/26
ISBN 9784000051309
Cコード 0041
体裁 四六 ・ 並製 ・ 216頁
在庫 品切れ
大好きなお菓子を自分で作ってみたい.数学がスラスラできるようになりたい.その願い,どちらもかなえます.まずはやってみること.できたものはあなただけのオリジナル.たとえ結果がマズくても,試行錯誤を楽しむのが料理上手,数学名人になるコツです.料理も数学も愛する著者がよりすぐりのレシピやパズルを贈ります.


■著者からのメッセージ
 数学と料理は驚くほど似通っている.どちらもシンプルで役に立つ技能として始まった.そこから進化して,複雑で楽しめるアートとなった.どちらも一連の作業指示が与えられることが多い.どちらにも好みがある.どちらにも困難がある.どちらのチャンピオンも祝福される.どちらも初心者をしり込みさせる.
 しかし,この本は数学と料理について書いたものだが,この2つを結びつけるものではない.特に,数学を料理に応用するものではない.数学はキッチンで役に立つこともあるが,この本はそれについて書いたものではいない.
 数学をするための理由はたくさんあるし,料理をするための理由もたくさんある.しかしどちらの分野でも,主な原動力は楽しさだ.料理の場合,これを理解するのは難しくないだろう.しかし,意外なことに数学者も快楽主義者であり,楽しみを探し求めているのだ.
 そして私は,読者の皆さんとそれを共有したいのだ.
――「まえがき」より抜粋,一部改変


■訳者からのメッセージ
 この本は,たいへん奇妙な本です.最近,料理を科学的に解説する本が数多く出版されています(私も数年前にそのような本を翻訳したことがあります)が,この本はそれともまた違っています.「数学と料理とは同じだ」と筆者は言っているのです.
 一見すると突飛な考えのようですが,私には筆者の言いたいことがよくわかります.ある時は失敗を恐れず大胆に自由な発想で,またある時は緻密に慎重な手順を踏んで行う必要があるという点で,料理と数学とはよく似ているのです.この本では章ごとにさまざまな観点から,面白いパズルやレシピの実例を伴って,数学と料理との類似(あるいは相違)が解説されています.ぜひ,楽しんでください.
――「訳者まえがき」より抜粋
1 きまぐれな数学者
2 傲慢なシェフ
3 シンプルな味
4 複雑な風味
5 味の違いがわかる人
6 粘り強い料理人
7 旺盛な食欲
8 虚栄,怠惰,吝嗇,そして欲望
9 限界に達し,限界を越える
10 グローバルに考える
11 ローカルに食べる
12 謙虚な料理人
13 途方に暮れたギーク
14 エレガントな料理
15 みんなのための食事
16 みんなのために役立つ食事
17 ただ楽しみのためだけに
18 ただ奇をてらうためだけに
19 有名人シェフ
20 節約
21 倫理
22 融合
23 すべてが一体になる
24 すべてがバラバラになる
25 証明とプディング
ジム・ヘンリー(Jim Henle)
スミス・カレッジ教授.専門:数理論理学.主著:『集合論問題ゼミ』(1986,邦訳はシュプリンガー・フェアラーク東京より)

水原 文(みずはら ぶん)
翻訳者.主な訳書:『Cooking for Geeks――料理の科学と実践レシピ』(Jeff Potter著,オライリー・ジャパン,2011年),『国家興亡の方程式 歴史に対する数学的アプローチ』(ピーター・ターチン著,ディスカヴァー・トゥエンティワン,2015年)
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