一枚の絵から 日本編

(全2冊)

漫画映画監督・高畑勲が出会った”この一枚”.若冲,東山魁夷はじめ三十作品を,カラー図版で紹介します.

一枚の絵から 日本編
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著者 高畑 勲
ジャンル 書籍 > 単行本 > 芸術
刊行日 2009/11/27
ISBN 9784000221764
Cコード 0071
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 284頁
在庫 品切れ
漫画映画監督,高畑勲.”みる”ことへの興味から,たくさんの絵をみてきました.そのなかから出会った”この一枚”――若冲,北斎,東山魁夷,小倉遊亀,横尾忠則ほか三十作品.豊富なカラー図版とともに紹介します.知的好奇心を刺激されながら「こんな見方で楽しいね」,絵をみることの原点回帰としての一冊です.


■著者からのメッセージ
 ……絵に何が描かれているのか,その具体的な内容を語ることとともに,ここで心がけたのは,作品中の細かい描写を言葉でなぞる努力をすることでした.情景や人物の表情を読み取って文章化するのは,かなり押しつけがましいことかとも思いましたが,私の願いは,それを手がかりに,もう一度絵を細かく見直して楽しんでもらおうということでした.いったん絵に惹きつけられれば,作者や表現内容について多少とも知りたくなり,考えたくなるのは当然なのですから,知識はつねに後追いでいいのだと思います.絵に感心し,面白がりながら,ここはどうしてこうなのだろう,と疑問をもち,それに自分なりの答えを出そうとしたり調べたり,自由に古今東西を行き来して,いろいろ比較してみたりすることは,誰にとっても楽しいことではないでしょうか.この本でご披露したのは,その,私なりのやり方です.
 私たち映画人から見れば,依然,絵画は大芸術です.とくに西洋画では作家性が重んじられ,作者の人生や思想を投影して絵を見なければならないとする傾向があります.それはまことにもっともなことではありますが,映画同様,まずは気楽に好きな絵を自己流に楽しんでもいいのではないか.映画は人々が自由に見て,のびのびと感想を述べます.自分の見方や感情が優先するから,自分の好みに自信をなくしたりしないし,遠ざけながら敬することもありません.むろん,そういう絵の見方では,大事な作品を取り落としたり見過ごしたりしがちですが,そのかわり,ずっと一生,新たな発見に恵まれ,絵が好きであり続けられます.
(日本編「まえがき」より)


まえがき
常盤光長 「伴大納言絵巻」上巻より応天門炎上を見上げる人々
藤原豪信 「花園天皇像」
藤原隆章 「慕帰絵詞」巻第五より独楽遊び
雪舟 「秋冬山水図」より冬景図
狩野永徳 「「花鳥図襖」より梅に水禽図」「徳川家康三方ヶ原戦役画像(顰像)」「烏図屏風」
狩野長信 「花下遊楽図屏風」
俵屋宗達 「伊勢物語図」から「芥川」
岩佐又兵衛工房作 「浄瑠璃物語絵巻」より
尾形光琳 「立姿美人図(画稿)」
与謝蕪村 「雲上仙人図」
伊藤若冲 「果蔬(かそ)涅槃図」
円山応挙 「朝顔狗子図杉戸」
伊藤若冲 「鶴図屏風「黒地三笠山鹿模様打掛」
渡辺崋山 「五郎像」
八十五老卍 「月みる虎図」
歌川広重 「名所江戸百景」から「四ツ谷内藤新宿」
佐伯祐三 「下落合風景」
小林古径 「清姫」から「清姫」
小早川秋聲(声) 「国之楯」
鶴岡政男 「重い手」
佐藤哲三 「みぞれ/コドモと柿の夢」
鳥海青児 「うずくまる」
東山魁夷 「樹根」
熊谷守一 「宵月」
香月泰男 「父と子」
小倉遊亀 「観自在」
横尾忠則 「朱い水蒸気」
男鹿和雄 「ねずてん」より
高畑  勲(たかはた いさお)
1935年生まれ.アニメーション映画監督.東京大学文学部仏文科卒.1968年『太陽の王子ホルスの大冒険』を初監督.1985年宮崎駿らとスタジオジブリ設立.主な監督・演出作品に,テレビシリーズ『アルプスの少女ハイジ』『赤毛のアン』,映画『セロ弾きのゴーシュ』『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョとなりの山田くん』『柳川堀割物語』など.プロデューサーとして『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』.著書に『「話の話」解説』『木を植えた男を読む』(訳著)『映画を作りながら考えたこと』『漫画映画の志』など.訳書に,ジャック・プレヴェール『ことばたち』など.

書評情報

しんぶん赤旗 2010年4月25日
毎日新聞(朝刊) 2010年4月4日
美術手帖 2010年3月号
週刊文春 2010年1月21日号
伊勢新聞 2009年12月20日号
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