無理難題「プロデュース」します

小谷正一伝説

新聞,ラジオ,広告界を縦横に生きた男の軌跡を,井上靖,正力松太郎,吉田秀雄ら多彩な人物群像とともに描く.

無理難題「プロデュース」します
著者 早瀬 圭一
ジャンル 書籍 > 単行本 > 評論・エッセイ
刊行日 2011/08/09
ISBN 9784000022255
Cコード 0095
体裁 四六 ・ 上製 ・ 254頁
在庫 品切れ
小谷正一(1912-1992年).井上靖『闘牛』の主人公のモデルとなった毎日新聞社事業部を皮切りに,夕刊「新大阪」創刊,プロ野球パ・リーグの創設,民間放送の立ち上げ,海外からの芸術家招致,電通での活躍など,戦後メディアを縦横に生きた男の軌跡を,井上靖,正力松太郎,吉田秀雄,萩元晴彦ら,多彩な人物とともに描く.


■著者からのメッセージ
 小谷正一80年,人生の最盛期は三つに分けることができるだろう.
 夕刊「新大阪」の発行,プロ野球「毎日オリオンズ」と「新日本放送」の創設の三つである.いずれも毎日新聞社の「本田天皇」に強引に命令され,振り回されてやらされた「仕事」だが,たちまちのめり込み,奇想天外の発想で縦横無尽の働きをした.その後,「電通の鬼」吉田秀雄に引き抜かれるが,4年後,吉田は60歳の若さで死去,小谷はフリーになる.小谷にとって「デスクK」を主宰して以後は「余生」だったと言えば,言い過ぎだろうか.小谷は来る者拒まずで,分け隔てなく誰とでも同じように接した.その人生を辿れば,魅力に富んだ人物だとわかる.「表」の部分とそうでない部分もあったと思うが,私は敢えて「表」しか追わなかった.小谷は幼少の頃,柿の木の下で「あの枝に大きな実がある.こちらの方が熟している」と言い,もっぱら友達を木に登らせた.自分は指示するだけだった.しかし「夕刊」「球団」「放送」のときは自ら木に登り果敢に挑戦した.一番輝いていた.本書は小谷正一の「人生の黄金期」に焦点を当てた.
──「あとがき」より
プロローグ
第一章 おれは空間に原稿を書く
第二章 夕刊紙「新大阪」梁山泊
第三章 綱渡りの「毎日オリオンズ」づくり
第四章 民間ラジオ放送創立へ
第五章 背水の陣で再びの「新大阪」
第六章 一所不住
エピローグ
あとがき
主要参考文献
早瀬圭一(はやせ けいいち)
1961年毎日新聞社入社.名古屋を振り出しに,大阪,東京社会部などののち編集局編集委員.龍谷大学,東洋英和女学院大学教授などを経て,北陸学院大学副学長.毎日新聞社客員編集員.82年『長い命のために』(新潮社)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞.主な著書に『大本襲撃――出口すみとその時代』(毎日新聞社,のち新潮文庫),『奇人変人料理人列伝』(文藝春秋)など.

書評情報

日本経済新聞(朝刊) 2011年11月6日
日本経済新聞(夕刊)〔大阪〕 2011年10月13日
朝日新聞(朝刊) 2011年9月18日
神奈川新聞 2011年9月11日
毎日新聞(朝刊)〔大阪〕 2011年8月20日
毎日新聞(朝刊) 2011年8月14日
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