雑誌『都市問題』にみる都市問題 II

1950-1989

戦後の『都市問題』は都市の諸問題にどう取り組んできたのか.10のテーマでその論調と時代を追究する.

雑誌『都市問題』にみる都市問題 II
著者 新藤 宗幸 , 松本 克夫
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2012/03/06
ISBN 9784000230469
Cコード 3031
体裁 A5 ・ 上製 ・ 300頁
在庫 品切れ
1925年創刊の雑誌『都市問題』は1945年初めに休刊となり,復刊されたのは「逆コース」色の濃くなる50年5月のことだった.以来1989年までの同誌は都市の諸問題にどう取り組んできたか.10のテーマに即して論調を追究する本書は,今日われわれが現代社会を考える際にも大きな示唆を与えてくれるだろう.

■編者からのメッセージ

本書では,この時代の論説や記事の動向,執筆陣を概観したうえで,『都市問題』が「都市・都市問題・都市政策」をどのように理論的にとらえていたのかにはじまり,この時代の問題事象にたいする論稿を地方制度,地方政治,地方行政,地方財政,都市計画と自治,国土計画と地域開発,福祉,公害と環境,流通機構と都市経済に分類し,それぞれにおける論調や政策・事業の変化,主要な論点を追究してみた.
 本書があつかった時代には,都市自治体の政治・経済におよぼす影響力が格段に成長をみた.そして今日,都市自治体や地域社会の行方が国政のあり方を左右する時代となっている.雑誌『都市問題』は,まさに都市の叢生・成長と軌を一にしてきたが,そこで提示された多様な論点は,今後の日本社会を考える有力な素材となりうるであろう.この意味で,本書の戦前編と併せて読了いただき,地方分権改革のみならず日本の将来像のデッサンに参考とされるならば,幸いである.
――本書「はじめに」(新藤宗幸)より

■編集部からのメッセージ

この本は同じ編者で2010年11月に小社より刊行された『雑誌『都市問題』にみる都市問題1925-1945』の続編です.雑誌『都市問題』は,後藤新平(1857-1929)がニューヨーク市政調査会をモデルにして設立した東京市政調査会が1925年に創刊し,1945年3月から1950年4月までの休刊をはさんで,現在もなお刊行されつづけているものです.本書では戦後の1950年から1989年までの『都市問題』を取り上げています.
Ⅰ 都市・都市問題・都市政策――「都市理論」の混迷  西尾 勝
Ⅱ 地方制度――戦後改革の修正を中心に  新藤宗幸
Ⅲ 地方政治――選挙・住民運動・住民自治  魚住弘久
Ⅳ 地方行政――制度・組織・人事  川手 摂
Ⅴ 地方財政――財政改革の系譜を中心に  木村佳弘
Ⅵ 都市計画と自治  田中暁子
Ⅶ 国土計画と地域開発  松本克夫
Ⅷ 福祉――生活保護制度を中心に  五石敬路
Ⅸ 公害と環境  青山彰久
Ⅹ 流通機構の変遷と都市経済  北村龍行
新藤宗幸(しんどう むねゆき) 1946年生まれ.専修大学教授,立教大学教授,千葉大学教授をへて東京市政調査会研究担当常務理事.
松本克夫(まつもと よしお) 1946年生まれ.地方財政審議会委員・ジャーナリスト.

西尾 勝(にしお まさる) 1938年生まれ.東京市政調査会理事長.東京大学名誉教授.
魚住弘久(うおずみ ひろひさ) 1969年生まれ.千葉大学法経学部准教授.
川手 摂(かわて しょう) 1979年生まれ.東京市政調査会研究員.
木村佳弘(きむら よしひろ) 1973年生まれ.東京市政調査会研究員.
田中暁子(たなか あきこ) 1978年生まれ.東京市政調査会研究員.東京大学先端科学技術センター客員研究員.
五石敬路(ごいし のりみち) 1968年生まれ.東京市政調査会研究室長.
青山彰久(あおやま あきひさ) 1956年生まれ.読売新聞東京本社編集委員.
北村龍行(きたむら りゅうこう) 1947年生まれ.『都市問題』編集長.
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