算数でわかる天文学

重力や光の基本法則,恒星やブラックホールの理論などが,簡単な計算だけで驚くほどよくわかる入門書.

算数でわかる天文学
著者 ダニエル・フライシュ , ジュリア・クレゲナウ , 河辺 哲次
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 物理・化学
日本十進分類 > 自然科学
刊行日 2014/09/25
ISBN 9784000054140
Cコード 3044
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 268頁
在庫 品切れ
天文学の基礎から最新宇宙論の入り口まで,「いまさら人に聞けない」レベルからていねいに解説.重力や光の基本法則,望遠鏡で観測できる仕組み,恒星やブラックホールの理論などが,簡単な計算だけで驚くほどよくわかる.豊富な授業経験をもとに,つまずきやすいポイントを意識して書かれた,読者にやさしい入門テキスト.

■訳者からのメッセージ

 本書では,天文学を理解するために必要な“算数”を,丁寧すぎるくらいにやさしく解説しています.さまざまな単位の変換方法をはじめとして,私たちが日常で感じる重力や光の法則から,天体観測ができる仕組み,星の運動と性質,ブラックホールや膨張宇宙論までが,ほんのわずかな数式だけで明快に理解できるのです.
 登場する計算のほとんどは,四則演算(+-×÷)と比例・反比例の考え方,つまり“算数”です.微分も積分も出てきません.一部で指数・対数や三角関数が使われていますが,それらを学んでいなくても理解できるように工夫されています.
 難しそうな天文学が,本当にこのような“算数”だけで理解できるのでしょうか.おそらく,できます.本書を読めばきっと,ギリシャの星空の下で育まれた算術の素朴な概念が通奏低音のように今日まで流れ,現代の天文学を理解するベースになっていることがわかるでしょう.
 原題の A Student’s Guide to the Mathematics of Astronomy が示唆するように,天文学の基礎的な数学だけを学びたい人にも,将来もっと高度な数学を理解する基礎力をつけたい人にも,本書は辛抱強くアシストしてくれる名ガイドになるはずです.

■正誤表

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訳者のことば
まえがき
謝辞

第1章 単位がわかる
1.1 単位と変換
1.2 絶対法と比率法
1.3 比率の問題
1.4 科学的表記
理解度チェック

第2章 重力がわかる
2.1 万有引力の法則
2.2 ニュートンの運動の法則
2.3 ケプラーの法則
理解度チェック

第3章 光がわかる
3.1 光とスペクトルの基礎
3.2 輻射の法則
3.3 ドップラーシフト
3.4 視線速度図
理解度チェック

第4章 天体観測がわかる
4.1 視差
4.2 視直径
4.3 分解能
理解度チェック

第5章 星がわかる
5.1 恒星視差
5.2 光度と見かけの明るさ
5.3 等級
5.4 HR図
理解度チェック

第6章 ブラックホールと宇宙論がわかる
6.1 物質密度
6.2 脱出速さ
6.3 ブラックホール
6.4 膨張する宇宙
6.5 宇宙の歴史と運命
理解度チェック

演習問題の解答
理解度チェックの解答
参考文献
索引
ダニエル・フライシュ(Daniel Fleisch)
オハイオ州ウィッテンバーグ大学の物理学教授.主な研究分野は電磁気学,宇宙物理学.著書に“A Student's Guide to Maxwell's Equations”(『マクスウェル方程式――電磁気学がわかる4つの法則』),“A Student’s Guide to Vectors and Tensors”(『物理のためのベクトルとテンソル』).
http://www.danfleisch.com/

ジュリア・クレゲナウ(Julia Kregenow)
ペンシルヴァニア州立大学の天文学・天体物理学講師.

河辺哲次(かわべ てつじ)
九州大学大学院教授.1949年福岡市生まれ.東北大学工学部原子核工学科卒,九州大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士).専門は素粒子論,場の理論におけるカオス現象,および非線形振動・波動現象.著書に『スタンダード 力学』『ベーシック 電磁気学』『工科系のための 解析力学』(以上,裳華房).訳書に『マクスウェル方程式――電磁気学がわかる4つの法則』,『物理のためのベクトルとテンソル』(岩波書店).
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