幾何学的変分問題

曲線の長さと写像のエネルギーに関する変分問題を題材に,幾何学的変分問題の基本的問題と結果について解説.

幾何学的変分問題
著者 西川 青季
ジャンル 書籍 > 自然科学書
書籍 > 自然科学書 > 数学
刊行日 2006/04/05
ISBN 9784000052436
Cコード 3341
体裁 A5 ・ 上製 ・ 234頁
在庫 品切れ
幾何学的変分問題とは,多様体の幾何学の研究に現れる変分問題を,大域解析学の立場から研究する分野であるということができる.本書は,曲線の長さとエネルギーに関する変分問題と写像のエネルギーに関する変分問題を題材に,幾何学的変分問題の基本的問題と結果について解説する.岩波講座『現代数学の基礎』からの単行本化.

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現代の幾何学の問題の多くが,曲面あるいはその一般化としての多様体上の変分問題として定式化される.幾何学的変分問題とは,このような変分問題を大域解析学の立場から研究する分野であるということができる.本書は,曲線の長さと写像のエネルギーに関する変分問題を題材に,幾何学的変分問題の基本的問題と結果について解説する.
まえがき
理論の概要と目標

第1章 曲線の長さと測地線
§1.1 曲線の長さとエネルギー
§1.2 Eulerの方程式
§1.3 接続と共変微分
§1.4 測地線
§1.5 測地線の最短性

第2章 第1変分公式と第2変分公式
§2.1 第1変分公式
§2.2 曲率テンソル
§2.3 第2変分公式
§2.4 最短測地線の存在
§2.5 Riemann幾何への応用

第3章 写像のエネルギーと調和写像
§3.1 写像のエネルギー
§3.2 テンション場
§3.3 第1変分公式
§3.4 調和写像
§3.5 第2変分公式

第4章 調和写像の存在
§4.1 熱流の方法
§4.2 時間局所解の存在
§4.3 時間大域解の存在
§4.4 調和写像の存在と一意性
§4.5 Riemann幾何への応用

付録 多様体論と関数解析の基礎
§A.1 多様体に関する基礎事項
(a)級多様体
(b)接空間
(c)写像の微分
(d)1の分割
(e)接ベクトル束
 
§A.2 関数解析からの基礎事項
(a)逆関数定理
(b)関数空間と微分作用素
(c)熱方程式と基本解
(d)解の微分可能性
(e)Schauderの評価式

現代数学への展望
参考文献
参考書
演習問題解答
索引
西川青季(にしかわ・せいき)
1948年生まれ
1973年東京都立大学大学院理学研究科修士課程修了
現在 東北大学大学院理学研究科数学専攻教授
専攻 微分幾何学
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