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2016.11.06
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岩波科学ライブラリー 241
大人の直観vs子どもの論理
子どもの脳は想像以上に論理的で,大人の脳は意外なほど直観的.脳の機能と発達の仕組みから解明する.
著者 | 辻本 悟史 著 |
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ジャンル | 書籍 > 自然科学書 > 岩波科学ライブラリー 書籍 > シリーズ・講座・全集 書籍 > 岩波科学ライブラリー > 人間・心理 日本十進分類 > 自然科学 |
シリーズ | 岩波科学ライブラリー |
刊行日 | 2015/08/25 |
ISBN | 9784000296410 |
Cコード | 0311 |
体裁 | B6 ・ 並製 ・ 126頁 |
在庫 | 品切れ |
直観に頼ると失敗する? 子どもから大人へ,ヒトは少しずつ論理的になっていく? 科学の答えは,どちらもNOだ.実は,子どもの脳は想像以上に〈論理的〉で,大人の脳は意外なほど〈直観的〉.日常生活で,人生で,そして進化の過程で,それが「うまくやっていく」秘訣であることを,脳の機能と発達の仕組みから解き明かす.
■著者からのメッセージ
何の気なしに人間の行動を見ていると,本当に不思議で興味深い.あの人はなぜ,あんな無駄なものを買っちゃったのか.どうして彼はあの子に恋をしたのか.なぜ自分は,わかっていてもこの癖をやめられないのか.多くの行動は,個別には確率や論理では説明がつかない.だけど,じつはそこにはそれなりの理由があるし,それが結局は上手くいく秘訣だったりする.それなら,その仕組みを知って日々の生活に活かさない手はないだろう.
そのための鍵はやはり脳にありそうだ.ただし,はるか遠いご先祖からの進化の歴史と,生まれてからの発達の歴史,さまざまな時間スケールで,既成の学問体系にとらわれず視点を柔軟に持つことが大切だ.
進化と発達が織りなす不思議な脳内世界.とにかくそれを多くの方々と共有したい.そして人と人とがつながる毎日を,今までよりもう少し楽しいものにしよう.そんな想いから本書は生まれた.
■著者からのメッセージ
何の気なしに人間の行動を見ていると,本当に不思議で興味深い.あの人はなぜ,あんな無駄なものを買っちゃったのか.どうして彼はあの子に恋をしたのか.なぜ自分は,わかっていてもこの癖をやめられないのか.多くの行動は,個別には確率や論理では説明がつかない.だけど,じつはそこにはそれなりの理由があるし,それが結局は上手くいく秘訣だったりする.それなら,その仕組みを知って日々の生活に活かさない手はないだろう.
そのための鍵はやはり脳にありそうだ.ただし,はるか遠いご先祖からの進化の歴史と,生まれてからの発達の歴史,さまざまな時間スケールで,既成の学問体系にとらわれず視点を柔軟に持つことが大切だ.
進化と発達が織りなす不思議な脳内世界.とにかくそれを多くの方々と共有したい.そして人と人とがつながる毎日を,今までよりもう少し楽しいものにしよう.そんな想いから本書は生まれた.
まえがき
1 間違いだらけの私たち
わかっちゃいるけど/サンクコストの呪縛/モンティ・ホール問題/損はしたくない/そのワインを選んだワケ/恋人なら考えて見極める?/自分の身体に騙される/身体を使って騙してみる/理由まで勝手に作り出す/記憶は間違って植え付けられる
2 思いつきも悪くない
どちらの足から踏み出そうか/考えるとうまくできないこともある/考えると買えなくなることもある/マジカルナンバー/記憶の分類/仕方がないのか、そのほうがよいのか/適応度を高める不合理な知覚/適応度を高める不合理な意思決定/至近要因と究極要因/それでもやはり不合理?/結局どちらでもよい
3 ともあれ理由は脳にある
ひと目で咲いた恋の花/恋の相手は報酬/咲かせ続ける努力/論理的に「考える」とき/新しい脳?/脳の中のたくさんの「小さな世界」/世界のまとめ役はいるのか/まとめ役の候補/なるべく使わない方向で/訓練の賜物/脳にあった理由のまとめ
4 子どものほうが論理的?
子どもにも注目したい/理論の軸としての論理的思考/見えないものは存在しない?/よく調べると実は知っていた/あんなことも、こんなことも/論理的な赤ちゃん/そもそも動物には得意なことがある/赤ちゃんにだって得意なことがある/赤ちゃんのコア知識と進化/子どもなりの試練/子どもは子ども、大人は大人
5 子どもには子どもなりの脳がある
子どもの脳にも注目したい/脳の変化と知能の発達/逆U字の中身/接続の剪定と知覚の剪定/剪定のタイミング、そしてさらに/小さな世界の独立/適応度を高める遅い発達/若気の至り/遺伝と環境/子どもの脳は、大人の脳のミニチュアではない
6 視点を変えれば間違いも役に立つ
クリスティンとクリストファー/視点の違い/チンパンジーの子どもと勝負する?/経験に裏打ちされた直観/フランクリンの功罪表の功罪/遺伝子との相互作用/個性の視点/わりとみんな思いは同じ
あとがき
参考文献/引用文献
1 間違いだらけの私たち
わかっちゃいるけど/サンクコストの呪縛/モンティ・ホール問題/損はしたくない/そのワインを選んだワケ/恋人なら考えて見極める?/自分の身体に騙される/身体を使って騙してみる/理由まで勝手に作り出す/記憶は間違って植え付けられる
2 思いつきも悪くない
どちらの足から踏み出そうか/考えるとうまくできないこともある/考えると買えなくなることもある/マジカルナンバー/記憶の分類/仕方がないのか、そのほうがよいのか/適応度を高める不合理な知覚/適応度を高める不合理な意思決定/至近要因と究極要因/それでもやはり不合理?/結局どちらでもよい
3 ともあれ理由は脳にある
ひと目で咲いた恋の花/恋の相手は報酬/咲かせ続ける努力/論理的に「考える」とき/新しい脳?/脳の中のたくさんの「小さな世界」/世界のまとめ役はいるのか/まとめ役の候補/なるべく使わない方向で/訓練の賜物/脳にあった理由のまとめ
4 子どものほうが論理的?
子どもにも注目したい/理論の軸としての論理的思考/見えないものは存在しない?/よく調べると実は知っていた/あんなことも、こんなことも/論理的な赤ちゃん/そもそも動物には得意なことがある/赤ちゃんにだって得意なことがある/赤ちゃんのコア知識と進化/子どもなりの試練/子どもは子ども、大人は大人
5 子どもには子どもなりの脳がある
子どもの脳にも注目したい/脳の変化と知能の発達/逆U字の中身/接続の剪定と知覚の剪定/剪定のタイミング、そしてさらに/小さな世界の独立/適応度を高める遅い発達/若気の至り/遺伝と環境/子どもの脳は、大人の脳のミニチュアではない
6 視点を変えれば間違いも役に立つ
クリスティンとクリストファー/視点の違い/チンパンジーの子どもと勝負する?/経験に裏打ちされた直観/フランクリンの功罪表の功罪/遺伝子との相互作用/個性の視点/わりとみんな思いは同じ
あとがき
参考文献/引用文献
辻本悟史(つじもと さとし)
1977年生まれ.北海道大学文学部(心理学専攻)を卒業後,北海道大学大学院医学研究科および米国国立精神衛生研究所にて,脳と心の仕組みや発達に関する基礎研究に従事.神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授,米調査会社ニールセンのニューロサイエンス・ディレクターとして,教育やビジネスへの脳科学の応用に取り組み,2014年10月より京都大学大学院情報学研究科准教授.博士(医学).
1977年生まれ.北海道大学文学部(心理学専攻)を卒業後,北海道大学大学院医学研究科および米国国立精神衛生研究所にて,脳と心の仕組みや発達に関する基礎研究に従事.神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授,米調査会社ニールセンのニューロサイエンス・ディレクターとして,教育やビジネスへの脳科学の応用に取り組み,2014年10月より京都大学大学院情報学研究科准教授.博士(医学).
書評情報
公明新聞 2015年9月21日