岩波科学ライブラリー

オーロラ!

極地での奮闘とともに最新の研究成果を熱く伝える,新機軸のオーロラ入門.

オーロラ!
著者 片岡 龍峰
通し番号 243
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 岩波科学ライブラリー
書籍 > 岩波科学ライブラリー > 宇宙・地球
日本十進分類 > 自然科学
シリーズ 岩波科学ライブラリー
刊行日 2015/10/07
ISBN 9784000296434
Cコード 0344
体裁 B6 ・ 並製 ・ 122頁
定価 1,430円
在庫 在庫あり
人を虜にする神秘の光,オーロラ.その真の姿に迫る旅路に果てはない.あの光のエネルギーの源はどこか?悠然と動いているようで,実は目にも止まらぬ速さで瞬いている!?――ユニークな機材とともに極地に乗り込んだ気鋭の研究者が,現地での奮闘とともに最新の知見を熱く伝える,新機軸のオーロラ入門.[カラー8頁]


■著者からのメッセージ
 オーロラの本は数多く出版されていますが,タイトルに「!」がついているとは何事だろうと思われた方も多いのでは,と思います.私も,岩波書店から本タイトルを提案していただいたときには「!」と思いました.しかし,ザ・非日常としてのオーロラを表現するには案外ピッタリかもしれないと直感もしました.そして,今のオーロラ研究を通して頭と体で感じている驚きと感動の「!」を,飾らない言葉でありのままに,誰でも気軽に読めるような本を書きたいと思いました.
 本書は,オーロラの不思議を,この小さな本にギュッと閉じ込めようという挑戦です.前半では,オーロラの秘密のベールがはがされてきた過去100年間を一気に振り返り,最近のコンピュータ・シミュレーションによって50年の常識が覆されつつあるオーロラの発電について紹介します.この新しいオーロラ発電を解説した本は,おそらく本書が初めてなので,オーロラに詳しい読者ほど驚かれることでしょう.
 後半は,オーロラの「真の姿」に迫りつつあるオーロラ観測の最前線を紹介します.厳しい大自然に突撃して宇宙を見つめる,いまの研究現場の奮闘を,笑いながら読み進めていただければ幸いです.最後の章は,日ごろの悩みが吹き飛ぶような宇宙スケールのオーロラの意味について,ぜひ多くの人と共有したい,という前のめりの気持ちで書きました.オーロラという究極の自然現象から,私たちが学ぶことの豊富なこと!
 それでは,「オーロラ!」を,お楽しみください.
――本文「はじめに」より抜粋
はじめに

1 オーロラはなぜ光るのか?
オーロラはどこからくるのか?/絵画の中の電話おじさん/空の終わりの酸素原子/オーロラの冠/巨大電気うなぎ/冠を授かるには地磁気をまとえ
 〈コラム〉研究のきっかけ

2 発電する宇宙空間
コロナの輝き/太陽のダークサイドに操られ/雷神と風神の戦い/磁場を持ち出す太陽風/プラズマの渦巻く磁気圏/オーロラの電源を探せ/輝き崩れる光の輪
 〈コラム〉ストレイ・ポスドク

3 速すぎるオーロラを追え!
光り輝く分身の術/カーテンの瞬きを撮る/速すぎるオーロラ/かつ消え,かつ結びて/深く脈打つオーロラが熱い/高鳴るオーロラの鼓動/オーロラの歌を聴け
 〈コラム〉動かないハウル

4 3D時代のオーロラ研究
3Dプラネタリウムをオーロラに/アール・ツー/3Dオーロラ上映/オーロラ・トモグラフィ/オーロラの立体視測定法/全地球的な観測ネットワークへ/データを捨てる観測
 〈コラム〉アンティーク・プロジェクタ

5 オーロラの過去・現在・未来
キャリントンのツバメ/ハトを惑わす磁気嵐/今夜,日本でもオーロラが!/天災は忘れた頃にやってくる/屋久杉が知る宇宙/オーロラが消える日/オーロラは生命バリア機能の証/オーロラはいつ生まれたのか?

あとがき

付録1 オーロラハンター3つの極意
付録2 もっと詳しく知りたい人へ
片岡龍峰(かたおか りゅうほう)
1976年,宮城県仙台市生まれ.2004年,東北大学で博士(理学)を取得後,情報通信研究機構,NASAゴダード宇宙飛行センター,名古屋大学太陽地球環境研究所,理化学研究所,東京工業大学を経て,2013年から国立極地研究所准教授.2015年,文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞.専門は宇宙空間物理学.オーロラ3Dプロジェクト代表.釣りと将棋が好き.

書評情報

星ナビ 2016年3月号
北海道新聞(朝刊) 2016年1月17日
星ナビ.com 2015年11月30日掲載

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