電子書籍対応
岩波科学ライブラリー

ヒドラ

怪物?植物?動物!

切り刻んでも,すりつぶしても元通り.無限のポテンシャルを秘めた謎の動物,ヒドラのすべてを語り尽くす.

ヒドラ
このエントリーをはてなブックマークに追加
著者 山下 桂司
通し番号 181
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 岩波科学ライブラリー
書籍 > 岩波科学ライブラリー > シリーズ〈生きもの〉
シリーズ 岩波科学ライブラリー
刊行日 2011/06/28
ISBN 9784000295819
Cコード 0345
体裁 B6 ・ 並製 ・ カバー ・ 126頁
在庫 在庫あり
切り刻んでも,すりつぶしても元通り.小さいようで大きい.弱いようで最強.伸縮自在,変幻自在.水にゆらめく花のような体に驚くほどのポテンシャルを秘め,多くの研究者を魅了してきた謎の動物,「ヒドラ」.ついにゲノムが解読され,ヒトとの意外な共通性も明らかに!ヒドラ研究に身も心も捧げる著者が,その魅力のすべてを語り尽くす.


■著者からのメッセージ
 学生時代,同じサークルの仲の良い友人から,ふと,「お前が実験しているのは,何やったっけ? ラドンやったっけ?」と尋ねられたことがあります.「えっ?ラドンは怪獣やろ?ヒドラやぞ」とあせって答えましたが,分野違いとはいえ,仲の良い友人ですらこういう状況なのですから,「ヒドラ?何それ?」と思われる方はとても多いのではないでしょうか.
 ヒドラは,切り刻んでもすり潰しても元通りに再生でき,さらに若返り能力や生き返り能力さえももつ,不老不死ともいえる生き物です.そのくせ,海にすむヒドラを水道水につけたりすると一瞬で死んでしまったりするのです.強いのか,弱いのかさえよくわからない,とても不思議な生き物なのですが,特に実体顕微鏡の下で見ると,淡い透明なピンク色をした花のようで,震えるほどに美しく神秘的な姿をしています.
 ヒドラとはいったい,何者なのだろうか?いやそれ以前に,自分がいったい何者なのか,なんとなくわかりつつあるような,まだわからないような状態のまま生きている筆者なのですが,とにかく,ヒドラの美しさと面白さに魅せられてしまった人間(ヒトら)の一人であることには間違いありません.本書では,ヒドラの驚異の能力や面白さと同時に,その美しさも伝えることができたらいいなと思っています.
 愛しのヒドラの世界,「ヒドラ・ワンダーランド」へ,ようこそ!
――「はじめに」より


■ 動画
 ヒドラの動画(別ウィンドウが開きます)


■ 参考文献
 本書で引用した参考文献


■ おすすめウェブサイト(海産・淡水産ヒドラ類の動画や画像を見ることができるサイト)
○ 科学映像館(サイト内,配信映画⇒カテゴリー別⇒動物 とクリック)
  http://www.kagakueizo.org/category/animal
NPO法人科学映像館を支える会により運営されているサイト.さまざまな科学映像が無料ストリーミング配信されていて,カテゴリー「動物」の中で特に以下の映像がおすすめ.
・配信番号120-マリン・フラワーズ(1990年版,40分映画):ヒメクダウミヒドラのポリプ群体とアクチヌラ幼生の映像で始まる美しい映画.17分過ぎから,本書で紹介されたさまざまな海産ヒドラ類の美しい姿の映像を見ることができる.
・また,ヒドラ類ではないものの,配信番号102-ムーンジェリー,105-生きものは動く,501-ミクロの毒針も本書と関連する内容が含まれている.

○ 東京シネマ新社
  http://tokyocinema.net/
科学映像プロダクションのサイト.上記,科学映像館のサイトにリンクしている.タマクラゲ(本書第5章)のさまざまな美しい画像も見ることができる(映像は有償DVDなどにより視聴可能).

○ 自然への窓(ヒドラー水の中の小さな怪獣)
  http://www.w-nature.com/hydra1.htm
科学映像プロダクションEUGLENA堀田康夫氏運営のサイトで,淡水産ヒドラの紹介ページ.ヒドラの各画像をクリックすると,淡水産ヒドラのさまざまな行動の映像を,約10秒間ずつ無料で見ることができる.特に,水草を移動する淡水産ヒドラの複雑に統制された行動は実に見事!

▼その他のおすすめサイト
○The Cnidaria Home Page
  http://www.biochem.uci.edu/Steele/default.html
カリフォルニア大学アーバイン校により運営されている刺胞動物関連のサイト.Hydrozoaのところをクリックすると,各種ヒドラ類の情報を得ることができる(リンクが切れているサイトもあるが,気にせず,次々見ていこう!).

○ The Hydrozoan Society Home Page
  http://www.ucmp.berkeley.edu/agc/HS/
カリフォルニア大学バークレー校古生物学博物館により運営されているヒドロ虫類学会のサイト.これもリンクが切れているサイトがあるが,気にせず次々見ていこう!

○ The Hydrozoa Directory
  http://www.ville-ge.ch/mhng/hydrozoa/classification.htm
ジュネーブ自然史博物館により運営されているサイト.海産ヒドラ類の美しい画像や研究情報を見ることができる.


国内でも,本書の図版出典や本文,あとがきで紹介された研究者・研究機関のサイトから,ヒドラ類関連のいろいろな情報を得ることができる.ぜひご覧ください.
■1 ヒドラって何?
ヒドラって怪獣?/分類上の位置と仲間たち/体のつくりと形/風船と見せかけて――マルチタレント細胞群/ヒドラはどこにいる?
  〈COFFEE BREAK〉ジェリーフィッシュ・ライダー

■2 ヒドラの摩訶不思議な一生
さまざまな一生のパターン/子どもとクローン/泳ぐ? 這いまわる?じっと待つ?/決断のとき
  〈COFFEE BREAK〉太陽と月の粒子

■3 海に浮かぶ宝石――アクチヌラ幼生
運命の出会い/海に浮かぶ宝石/極小ミサイルでペタペタ/溶岩流の中で/溶岩流の中での一次付着/アクチヌラのタコ踊り/出会った瞬間に,ビビッと
  〈COFFEE BREAK〉産業の場に意外な楽園

■4 ヒドラのおそるべき能力
切り刻んでも,すりつぶしても元通り/多能性幹細胞を超えて/一生はリバーシブル/ハイヒール・タップダンサー/しなやか神経系/ヒドラは考える……
  〈COFFEE BREAK〉イソギンチャクのピンポンダッシュ,ミズクラゲの鬼ポリプ

■5 出会いと共生のストーリー
巻貝とのランデブー/ニンギョウヒドラの土俵入り/ひきこもりヒドラ/全身をヒドラでおおわれた魚/藻類とヒドラ/爆弾どろぼう
  〈COFFEE BREAK〉ヤドカリとイソギンチャク

■6 ヒドラとヒトら
それはデルフトからはじまった/海へ ,そして海を越えて/昭和天皇とヒドラ/ヒドラとヒトら
  〈COFFEE BREAK〉ポリプとタコ,ヒドラつながり

付録 海のヒドラを探してみよう!
山下桂司(やました けいじ)
1958年長崎県五島列島生まれ.兵庫県姫路市在住.1985年鹿児島大学大学院理学研究科修了.2004年,「ベニクダウミヒドラ・アクチヌラ幼生の着生に関する研究」により博士(農学)号取得(東京大学).1992~1996年,新技術事業団(現 科学技術振興機構)ERATO研究員.2006年より(株)セシルリサーチ取締役社長.会社は,海洋付着生物関連の調査・研究に特化したビジネスを展開している.本人は,毎日,経営者と研究者の融合実験にいそしんでいる.兵庫県立大学客員研究員,日本付着生物学会運営委員.主な著書は『フジツボ類の最新学』(分担執筆,恒星社厚生閣).趣味はスキンダイビング,卓球,水族館めぐり.毎夏,帰省の際に,故郷の海で潜ることを楽しみにしている.

書評情報

海洋と生物 Vol.24 No.1(2012年2月)
遺伝 65巻6号(2011年11月)
理科教育ニュース 第827号(2011年9月8日)
図書館教育ニュース 2011年8月28日号〔付録〕
神戸新聞 2011年8月24日
Sessile Organisms 28巻2号(2011年8月)
水産経済新聞 2011年7月28日
日本農業新聞 2011年7月23日

電子書籍

価格は各電子書籍書店にてご確認ください

ページトップへ戻る