モータリゼーションの世紀
T型フォードから電気自動車へ
暮らしを大きく変えたクルマ.米ビッグスリーを軸にして世界の自動車産業の栄枯盛衰を辿り,これからのクルマ社会を展望する.
1908年のT型フォードの発売から1世紀.一般大衆が車を持てるようになって,モータリゼーションは人びとの暮らしから,産業・経済構造までを大きく変えてきた.この間の自動車産業の栄枯盛衰の歴史を,アメリカ・ビッグスリーを軸に,欧州,日本,新興国をも含めて辿り,一大技術革新期を迎えた自動車社会のこれからを展望する.
■編集部からのメッセージ
クルマに関わる技術革新には目を見張るものがあります.一方でガソリン・ディーゼルエンジンに代わるハイブリッド車(HV),電気自動車(EV),燃料電池車(FCV)が登場し,他方では自動運転技術の開発が急速に進んでいます.いま私たちは,「100年に一度」のクルマの大転換期に立ち会っているのです.
この本では,クルマが一般に普及する契機となった1908年のT型フォード車の登場から今日までを,主に世界の自動車産業をリードしてきたアメリカのGM,フォード,クライスラー――いわゆる「ビッグスリー」――に焦点を合わせて追いかけます.そして20世紀後半からのドイツ,日本,韓国,そして新興国の台頭,21世紀になって「ビッグスリー」が「デトロイトスリー」に凋落していく過程を,クルマの技術革新の歴史を踏まえながら紹介します.
■編集部からのメッセージ
クルマに関わる技術革新には目を見張るものがあります.一方でガソリン・ディーゼルエンジンに代わるハイブリッド車(HV),電気自動車(EV),燃料電池車(FCV)が登場し,他方では自動運転技術の開発が急速に進んでいます.いま私たちは,「100年に一度」のクルマの大転換期に立ち会っているのです.
この本では,クルマが一般に普及する契機となった1908年のT型フォード車の登場から今日までを,主に世界の自動車産業をリードしてきたアメリカのGM,フォード,クライスラー――いわゆる「ビッグスリー」――に焦点を合わせて追いかけます.そして20世紀後半からのドイツ,日本,韓国,そして新興国の台頭,21世紀になって「ビッグスリー」が「デトロイトスリー」に凋落していく過程を,クルマの技術革新の歴史を踏まえながら紹介します.
高橋 弘
プロローグ――激変する世界の自動車産業
第1章 アメリカ自動車産業の誕生と成長
1 欧米の自動車開発小史
2 アメリカ自動車産業の発展
3 一九三〇年代の自動車産業
第2章 アメリカ自動車産業の「黄金時代」――その光と影
1 自動車市場の拡大と寡占体制の強化 59
2 生産技術の発展とデトロイト・オートメーション
3 現場管理と労使関係の安定
4 経営システムの近代化
第3章 「黄金時代」の揺らぎと「日米逆転」
1 「黄金時代」の揺らぎ――政府規制と輸入の増大
2 「日米逆転」――第二次石油危機とビッグスリーの経営危機
3 「日米逆転」の原因
第4章 ビッグスリーの「復活」と米国自動車産業のグローバル化
1 ビッグスリーの業績回復
2 小型トラックブーム
3 競争力の回復と経営革新
4 ビッグスリーの経営改革
5 労使関係と労働慣行の変革
6 外資系企業の進出と米自動車産業のグローバル化
第5章 GMの経営破綻
1 自動車バブルの時代
2 金融危機と経営破綻
3 二一世紀のフォードとクライスラー
4 連邦政府の救済と破産法の適用申請
エピローグ――二一世紀のビッグスリーとアメリカの自動車文明の行方
あとがき
引用・参考文献一覧
第1章 アメリカ自動車産業の誕生と成長
1 欧米の自動車開発小史
2 アメリカ自動車産業の発展
3 一九三〇年代の自動車産業
第2章 アメリカ自動車産業の「黄金時代」――その光と影
1 自動車市場の拡大と寡占体制の強化 59
2 生産技術の発展とデトロイト・オートメーション
3 現場管理と労使関係の安定
4 経営システムの近代化
第3章 「黄金時代」の揺らぎと「日米逆転」
1 「黄金時代」の揺らぎ――政府規制と輸入の増大
2 「日米逆転」――第二次石油危機とビッグスリーの経営危機
3 「日米逆転」の原因
第4章 ビッグスリーの「復活」と米国自動車産業のグローバル化
1 ビッグスリーの業績回復
2 小型トラックブーム
3 競争力の回復と経営革新
4 ビッグスリーの経営改革
5 労使関係と労働慣行の変革
6 外資系企業の進出と米自動車産業のグローバル化
第5章 GMの経営破綻
1 自動車バブルの時代
2 金融危機と経営破綻
3 二一世紀のフォードとクライスラー
4 連邦政府の救済と破産法の適用申請
エピローグ――二一世紀のビッグスリーとアメリカの自動車文明の行方
あとがき
引用・参考文献一覧
鈴木直次(すずき なおつぐ)
1947年生まれ.70年上智大学経済学部卒業,76年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学.専修大学経済学部専任講師,助教授を経て,現在,同教授.博士(経済学).専攻はアメリカおよび国際経済.主な著書に『アメリカ社会のなかの日系企業』(東洋経済新報社,1991年),『アメリカ産業社会の盛衰』(岩波新書,1995年),『アメリカの経済 第2版』(共著,岩波書店,2005年),『変貌する現代国際経済』(共編,専修大学出版局,2012年)がある.
1947年生まれ.70年上智大学経済学部卒業,76年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学.専修大学経済学部専任講師,助教授を経て,現在,同教授.博士(経済学).専攻はアメリカおよび国際経済.主な著書に『アメリカ社会のなかの日系企業』(東洋経済新報社,1991年),『アメリカ産業社会の盛衰』(岩波新書,1995年),『アメリカの経済 第2版』(共著,岩波書店,2005年),『変貌する現代国際経済』(共編,専修大学出版局,2012年)がある.
書評情報
読売新聞(朝刊) 2018年7月6日