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水俣病

水俣病
著者 原田 正純
通し番号 青版 B-113
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 1972/11/22
ISBN 9784004111139
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 270頁
在庫 在庫あり
公害病の中でも大規模で最も悲惨なものの一つ,水俣病.苦痛に絶叫しながら亡くなった人々や胎児性患者のことは世界的にも知られているが,有機水銀によるこの環境破壊の恐るべき全貌は,いまだに探りつくされてはいない.長年患者を診察してその実態の解明にとりくんできた一医学者の体験と反省は,貴重な教訓に満ちている.
はじめに

Ⅰ 水俣病の発生
 1 「奇病」の発見
 2 環境汚染はすすんでいた
 3 研究開始

Ⅱ 原因物質を追う
 1 原因物質究明の困難さ
 2 さまざまな学説

Ⅲ 水銀をつきとめる
 1 水銀が浮かびあがる
 2 チッソの対応
 3 有機水銀の確認

Ⅳ 胎児性水俣病
 1 脳性小児麻痺の多発?
 2 認定までの長い道のり

Ⅴ 一酸化炭素中毒
 1 三池炭塵爆発
 2 労災補償とは

Ⅵ 新潟水俣病の発生
 1 第二の水俣病ついに発生
 2 新潟水俣病のもたらしたもの

Ⅶ 公害病認定から訴訟へ
 1 公害病認定
 2 ついに水俣病裁判が提起された
 3 水俣病研究会に参加して
 4 厚生省補償処理委員会の斡旋

Ⅷ 水俣病の全貌の解明にのり出す
 1 認定水俣病は氷山の一角
 2 通説の壁を破る困難さ
  A 発生時期の問題
  B 発生地区の広がり
  C 水俣病の臨床症状について
 3 新潟の経験に学ぶ

Ⅸ 隠れ水俣病
 1 隠れ水俣病をさがして
 2 審査会の壁
 3 ついに一斉検診を実現する
 4 水俣病の前に水俣病はなかった

Ⅹ 水俣病は終っていない
 1 国際環境会議に参加して
 2 水俣病裁判の中での医学
 3 今後に残された問題

参考文献
あとがき
原田正純(はらだ まさずみ)
1934‒2012年
1960年熊本大学医学部大学院修了
専攻―臨床脳波、中毒性神経精神障害に関する研究
著書―『水俣病は終っていない』(岩波新書)、『水俣が映す世界』(日本評論社、第16回大佛次郎賞)、『水俣・もう一つのカルテ』(新曜社、熊日文学賞)、『裁かれるのは誰か』(世織書房)、『炭坑の灯は消えても』(日本評論社)、『三池炭鉱――1963年炭じん爆発を追う』(NHK出版)

書評情報

医学部AtoZ〔代々木ゼミナール〕 2015年夏号
日本経済新聞(朝刊) 2012年7月15日
読売新聞(朝刊) 2012年4月7日
東京新聞(朝刊) 2005年5月29日

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