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2022.06.30
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読書論
人生は短く,書物は多い.一生のうちに読みうる書物の数は知れている.それを思えば,いつまでも手当り次第に読んでいるわけにはいかない.どうしても良書の選択が必要になる.何をいかに読むべきか.著者多年の豊かな読書体験と,東西古今のすぐれた知性が残した教えにもとづいて,さまざまな角度から読書を語る.
緒言
第一章 何を読むべきか──古典について──
或る程度多読の要──古典を憚るな──読書の利益──鷗外の「ヰタ・セクスアリス」中の一節──「福翁自伝」中の一節──つとめて大著を読め──読書家の顔
第二章 如何に読むべきか
難解の書に屈託するな──ともかくも読み進め──名著と名苑──名著と名曲──再読三読の要
第三章 語学力について
語学力を養う必要──それを養う方法──「蘭学事始」の前例──外国書味読の困難──筆写と素読
第四章 飜訳について
名著の飜訳と名画の模写──鷗外の飜訳論──細心と放胆との必要──「エミリヤ・ガロッティ」の例
第五章 書き入れ及び読書覚え書き
ミルの「功利主義」に対する福沢諭吉の書き入れ──漱石の書き入れと短評──鷗外と梗概──ヴァイニング夫人の「小恍惚」
第六章 読書と観察
名を知って物を知らぬ片羽──アルフレッド・マーシャルの観察力──ゲーテのイタリヤ紀行──福沢の「西洋事情」──同じく「旧藩情」──如何に読むべきか
第七章 読書と思索
読書と思索、受動と能動──ショーペンハウアーの警告──ファウストとワグナー──我らの内なるワグナー──漱石と鷗外──「私の個人主義」
第八章 文章論
福沢、鷗外、漱石の文章論──福沢の「文字之教」の嘲罵──マルクシストの難文癖──マルクスの文章論──劉知幾の「史通」──フランツ・オッペンハイマー──推敲の大切なること
第九章 書斎及び蔵書
書斎についての理想──明窓浄机──広さ、色調、椅子その他──書斎の記憶──ファウストの月に対する独語──書籍の購入と厳選の必要──書評の厳正──タイムス文芸附録の実例
第十章 読書の記憶
(一)
父母──太平記──慶応義塾の学風──馬場孤蝶、福田徳三──「三田文学」──水上滝太郎──久保田万太郎──永井荷風
(二)
ロンドン留学──大英博物館読書室──クインス・ホールのプロムネード・コンサート──「資本論」──当時の記憶──ベルリン留学──シュニツラー
(三)
「戦争と平和」──始めてアメリカの学芸に接す──「国訳漢文大成」──文学に於ける音楽──谷崎潤一郎──志賀直哉──佐藤春夫
引用書目
第一章 何を読むべきか──古典について──
或る程度多読の要──古典を憚るな──読書の利益──鷗外の「ヰタ・セクスアリス」中の一節──「福翁自伝」中の一節──つとめて大著を読め──読書家の顔
第二章 如何に読むべきか
難解の書に屈託するな──ともかくも読み進め──名著と名苑──名著と名曲──再読三読の要
第三章 語学力について
語学力を養う必要──それを養う方法──「蘭学事始」の前例──外国書味読の困難──筆写と素読
第四章 飜訳について
名著の飜訳と名画の模写──鷗外の飜訳論──細心と放胆との必要──「エミリヤ・ガロッティ」の例
第五章 書き入れ及び読書覚え書き
ミルの「功利主義」に対する福沢諭吉の書き入れ──漱石の書き入れと短評──鷗外と梗概──ヴァイニング夫人の「小恍惚」
第六章 読書と観察
名を知って物を知らぬ片羽──アルフレッド・マーシャルの観察力──ゲーテのイタリヤ紀行──福沢の「西洋事情」──同じく「旧藩情」──如何に読むべきか
第七章 読書と思索
読書と思索、受動と能動──ショーペンハウアーの警告──ファウストとワグナー──我らの内なるワグナー──漱石と鷗外──「私の個人主義」
第八章 文章論
福沢、鷗外、漱石の文章論──福沢の「文字之教」の嘲罵──マルクシストの難文癖──マルクスの文章論──劉知幾の「史通」──フランツ・オッペンハイマー──推敲の大切なること
第九章 書斎及び蔵書
書斎についての理想──明窓浄机──広さ、色調、椅子その他──書斎の記憶──ファウストの月に対する独語──書籍の購入と厳選の必要──書評の厳正──タイムス文芸附録の実例
第十章 読書の記憶
(一)
父母──太平記──慶応義塾の学風──馬場孤蝶、福田徳三──「三田文学」──水上滝太郎──久保田万太郎──永井荷風
(二)
ロンドン留学──大英博物館読書室──クインス・ホールのプロムネード・コンサート──「資本論」──当時の記憶──ベルリン留学──シュニツラー
(三)
「戦争と平和」──始めてアメリカの学芸に接す──「国訳漢文大成」──文学に於ける音楽──谷崎潤一郎──志賀直哉──佐藤春夫
引用書目
小泉信三(こいずみしんぞう)
1888-1966年
慶応義塾大学政治学科卒業、同学教授を経て塾長となる.帝国学士院会員、皇太子(現天皇)教育参与などを歴任
著書─『アダムスミス・マルサス・リカアドオ』
『マルクス死後五十年』
『読書雑記』
『小泉信三全集』(全26巻)ほか
1888-1966年
慶応義塾大学政治学科卒業、同学教授を経て塾長となる.帝国学士院会員、皇太子(現天皇)教育参与などを歴任
著書─『アダムスミス・マルサス・リカアドオ』
『マルクス死後五十年』
『読書雑記』
『小泉信三全集』(全26巻)ほか