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熊野古道

「蟻の熊野詣」の言葉通り,多くの参詣者を引きつけてきた熊野.歴史をたどり,古道歩きの魅力を語る.

熊野古道
著者 小山 靖憲
通し番号 新赤版 665
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 日本史
刊行日 2000/04/20
ISBN 9784004306658
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 216頁
在庫 品切れ
ゆたかな自然に懐深く抱かれた聖地,熊野.「蟻の熊野参り」という言葉どおり,人々は何かに引きつけられるように苦しい巡礼の旅を続けた.中世の記録から,上皇の御幸や一般庶民の参詣のようす,さらに熊野信仰の本質,王子社成立の謎等にせまり,長年の踏査経験をふまえて,この日本随一の古道の魅力を語り尽くす.
序──熊野とはどういうところか

Ⅰ 熊野詣の中世史
 1 山林修行の地として──永興禅師そして宇多・花山法皇
 2 院政期の大流行──上皇・女院そして貴族たち
 3 『中右記』にみる貴族の参詣
 4 藤原定家が記した上皇の参詣
 5 地方の武士が主役に──承久の乱以降の変化
 6 北野殿熊野詣日記を読む
 7 「蟻の熊野参り」──活発化する民衆の参詣

Ⅱ 参詣の作法と組織
 1 熊野信仰とは何か──参詣の目的
 2 道中の案内と宿泊──先達と御師
 3 九十九王子とは何か
 4 「浄・不浄を嫌わず」──女性・障害者の参詣
 5 苦行滅罪の旅
 6 近世の到来と熊野詣

Ⅲ 熊野古道を歩く
 1 参詣道の現況と歩き方
 2 紀伊路──中世の公式ルート①
 3 中辺路──中世の公式ルート②
 4 雲取越と潮見峠越──中辺路の派生ルート
 5 高野山からの小辺路と海のみえる大辺路
 6 石畳の立派な伊勢路
 7 大峯奥駈道──厳しい修行の道

主要参考文献
あとがき
小山靖憲 (こやまやすのり)
 1941年兵庫県に生まれる
 1964年東京教育大学文学部卒業
 専攻─日本中世史
 現在─帝塚山大学教授・和歌山大学名誉教授
 著書─『中世村落と荘園絵図』(東京大学出版会)
    『中世寺社と荘園制』(塙書房)ほか
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