消費者金融

実態と救済

超高金利で営業する消費者金融と,個人再生法,自己破産など,多重債務からの救済措置を解説する.

消費者金融
著者 宇都宮 健児
通し番号 新赤版 779
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 経済
刊行日 2002/04/19
ISBN 9784004307792
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 224頁
在庫 品切れ
経済苦による自殺者が7千人というどん底の日本でひとり栄える消費者金融.1社の経常利益が千億から2千億,駅前やテレビ,新聞・雑誌にはサラ金の広告があふれる.預金金利の実に1450倍前後という超高金利で営業している消費者金融の実態を明らかにするとともに個人再生法,自己破産など,多重債務からの救済措置をていねいに解説する.
はしがき

序章 身近な陥穽──消費者金融
 1 深刻な不況下で急増する自己破産と多重債務者
 2 街にあふれるサラ金広告と無人契約機

第一章 深刻化する多重債務問題
 1 「不況型」「生活苦型」の自己破産が急増
 2 急増する多重債務者
 3 アメリカの破産事情との比較
 4 自転車操業による借金の雪だるま式増加
 5 自殺・夜逃げ・ホームレス・犯罪の増加
 6 紹介屋・買取屋・整理屋・提携弁護士による二次被害の急増

第二章 繁栄する消費者金融
 1 深刻な不況下にもかかわらず増収増益を続ける大手サラ金業者
 2 異常な高金利
 3 高金利が生み出す過剰融資、押し付け融資
 4 非人間的な取立てが横行

第三章 消費者金融と高利金融業者
 1 合法金融とヤミ金融
 2 サラ金
 3 信販・クレジット会社・銀行系クレジットカード会社
 4 商工ローン
 5 日掛け金融
 6 ヤミ金融

第四章 業者繁栄を支える社会
 1 あふれるCMと実態を報道しないマスコミ
 2 銀行の責任
 3 重い行政の責任
 4 法が守られない社会

第五章 多重債務者救済への道
 1 クレジット・サラ金業者の直接取立ての停止
 2 任意整理──利息制限法に基づいて債務整理
 3 調停──特定調停を利用
 4 個人再生手続──新しい救済法
 5 自己破産
 6 借金をめぐる諸問題
 7 困ったときの相談先

第六章 急がれる法律・制度の見直し
 1 異常高金利の早急な見直しを
 2 出資法の改正──出資法の上限金利の引き下げ
 3 利息制限法の改正──利息制限法の制限利息の引き下げ
 4 統一消費者信用法の制定
 5 消費者・多重債務者のための破産法改正
 6 サラ金のテレビCMの中止
 7 ヤミ金融の徹底的な取締り
 8 相談窓口の拡充と情報の普及
 9 低利融資制度や社会保障制度の充実
 10 子どものときから本当の消費者教育を

参考文献
宇都宮健児 (うつのみやけんじ)
1946年愛媛県に生まれる
1969年東京大学法学部中途退学,司法研修所入所
1971年弁護士登録,東京弁護士会所属
以後,日弁連消費者問題対策委員会委員長,
東京弁護士会副会長などを歴任
現在:全国クレジット・サラ金問題対策協議会事務局次長,地下鉄サリン事件・KKC事件・オレンジ共済事件被害対策弁護団団長,日栄・商工ファンド対策全国弁護団全国ヤミ金融対策会議代表幹事
著書:『カード破産と借金整理法』『イラスト六法わかりやすい自己破産』(自由国民社)
   『イラストでわかる 悪質商法から身を守る方法』(東洋経済新報社)
   『個人再生手続の基礎知識』『自己破産のすすめ──大不況・大失業時代の借金整理法』(花伝社)ほか

書評情報

季刊家計経済研究 第58号(2003年4月)
東京くらしネット 2002年12月号
週刊東洋経済 2002年11月30日号
カウサ 2002年11月号
Financial Adviser 2002年9月号
しんぶん赤旗 2002年7月8日
週刊文春 2002年7月4日号
大分合同新聞(朝刊) 2002年7月1日
朝日新聞(朝刊) 2002年6月22日
毎日新聞(朝刊) 2002年6月9日
週刊ダイヤモンド 2002年6月8日
朝日新聞(朝刊) 2002年6月2日
産経新聞(朝刊) 2002年5月12日
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