ナチ・ドイツと言語

ヒトラー演説から民衆の悪夢まで

ヒトラー演説やメディアの言語,人々の悪夢までナチ・ドイツにおいて用いられた言葉とその修辞法を検証.

ナチ・ドイツと言語
著者 宮田 光雄
通し番号 新赤版 792
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 政治
刊行日 2002/07/19
ISBN 9784004307921
Cコード 0231
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 222頁
在庫 品切れ
政治の世界では言葉という武器が大きな働きをする.とりわけ圧倒的な力で民衆を動員したナチ・ドイツにおいて用いられた言語とその語り口は,現代もなお世界のさまざまな局面で利用され,力を持ち続けている.ヒトラー演説やメディアの言語から,教育の言語,ジョークや人々の夢に現れる言葉までを検証し,そのレトリックと意味を考える.
はじめに

  ■指導者■Ⅰ 独裁者の言語─ヒトラーの政治宗教─
 1 初めに言葉あり
 2 ヒトラーの《摂理》信仰
 3 ヒトラーの《黙示録》

  ■メディア1■Ⅱ 映像の言語─党大会映画『意志の勝利』─
 1 ナチスの政治的祭儀
 2 レニ・リーフェンシュタールの『意志の勝利』
 3 政治の美学化と罪責

  ■メディア2■Ⅲ 教育の言語─ヒトラーの歴史教科書─
 1 ヴァイマル時代の歴史教科書
 2 ヒトラーの歴史教科書
 3 ナチ統治下の抵抗教育

  ■民衆1■Ⅳ 地下の言語─ジョークの中のヒトラー─
 1 笑いの政治学
 2 ナチ・ドイツの政治的ジョーク
 3 ジョークの政治的役割

  ■民衆2■Ⅴ 深層の言語─悪夢の中の《第三帝国》─
 1 夢の社会心理学
 2 悪夢の中のナチ体制
 3 悪夢と罪責告白

あとがき
宮田光雄 (みやたみつお)
1928年高知県に生まれる
1951年東京大学法学部卒業
1960─62年西ドイツに留学
専攻─政治学,ヨーロッパ思想史
現在─東北大学名誉教授
著書─『ナチ・ドイツの精神構造』『政治と宗教倫理』『われここに立つ』『聖書の信仰』全7巻(以上,岩波書店)
   『キリスト教と笑い』(岩波新書)
   『きみたちと現代』『生きるということ』
   (以上,岩波ジュニア新書)
   『大切なものは目に見えない』『いま人間であること』
   (以上,岩波ブックレット)
   『十字架とハーケンクロイツ』『嵐を静めるキリスト』
   『信仰への旅立ち』『御言葉はわが道の光』
   (以上,新教出版社)
   『日本の政治宗教』(朝日選書)

書評情報

信濃毎日新聞(朝刊) 2009年12月23日
北海道新聞(朝刊) 2008年10月6日
日本経済新聞(朝刊) 2005年9月11日
週刊読書人 2002年12月13日号
公明新聞 2002年10月7日
トップポイント 2002年10月号
東奧日報(朝刊) 2002年9月13日
毎日新聞(朝刊) 2002年9月1日
朝日新聞(朝刊) 2002年8月18日
週刊現代 2002年8月17日号
高知新聞(朝刊) 2002年8月4日
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